2014 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病難治化と粘膜内リンパ球におけるエピジェネティクス制御異常
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24790677
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 永嗣 東北大学, 大学病院, 特任助手 (20583355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / クローン病 / アポトーシス / バイサルフェート / 潰瘍性大腸炎 / 炎症性腸疾患 / DNAメチル化 / 脱メチル化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
疾患の病因・病態に影響を与える因子としてgenetic factor以外に、eigenetic factor(DNA methylation, histone acetylation, mi-RNA etc)が注目を集めている。特にクローン病(CD)感受性遺伝子の中に、DNA メチル基転移酵素(DNMT3A)(Nature genetics 2010. 42:1118-25)が含まれており、CDの発症にDNAメチル化異常が関連していることが推測されている。epigenetic(主にDNA methylation)な変化が、遺伝子発現に影響を与えることで、病因・病態に関与しないかどうか検討を行った.活動期CD 13例、活動期潰瘍性大腸炎(UC) 5例の手術標本を用いて、CD4+ Effector Memory T細胞 (Tem) を分離した。Illumina 450Kを使用してCDとUCのTemの網羅的DNAメチル化比較解析を行った。また、CDとUCのTemにおけるアポトーシス感受性の差異とDNA メチル化との関連を検討するために、脱メチル化剤 (5-AZA) による脱メチル化誘導がTemのアポトーシス感受性にどのように影響を与えるかについて検討した。 その結果、①CDとUCのTemにおけるDNAメチル化の差異について明らかにし、②その差異を示した遺伝子リストをもとに、特徴的なbiological processやpathwayを抽出した。 さらに、③抽出されたbiological processのひとつであるアポトーシス関連遺伝子群のDNAメチル化とアポトーシス感受性との関連を示し、④DNAメチル化で制御され、かつCDのアポトーシス抵抗性を規定する可能性のある25の候補遺伝子を抽出した。以上の4点を本研究により明らかにした。
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