2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト膵癌増殖制御因子のRNAi/miRNA機能スクリーニング法による探索
Project/Area Number |
24790683
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
泉谷 昌志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90532739)
|
Keywords | 機能スクリーニング / 膵癌 |
Research Abstract |
この研究は、代表的な難治性固形癌である膵癌(膵管上皮癌)の新たな治療戦略を検討するために、遺伝子発現には独立して形質関連遺伝子を同定する方法である機能スクリーニング (functional screening) 系ならびに、これにより同定された遺伝子の機能解析をすることにより、膵癌の新規治療薬の開発候補となる可能性がある新しい治療標的を明らかにすることを目的としている。機能スクリーニングに使用するカスタムマイクロアレイの設計と作成、免疫不全マウスを用いたin vivo機能スクリーニングの結果、膵癌抑制的マイクロRNA候補が複数同定された。すなわち、約600種類のマイクロRNA前駆体(400-500bp)を発現するレンチウイルスライブラリーのクローンを検出するために、これらを特異的に検出する約1200種類のプローブをeArrayソフトウェア(Agilent)で設計し作成したオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて、膵癌細胞株やマウス個体においてマイクロRNAライブラリの導入前と導入後のクローン数を半定量的に比較することにより膵癌の増殖を抑制するマイクロRNAが複数同定された。なお、免疫不全マウスについては、NOGマウス(実験動物中央研究所)を用いて、皮下ならびに同所移植(膵臓)にて行われたものである。これらマイクロRNAがどのようにして膵癌抑制効果を発揮したかの機能解析のために、これらを膵癌細胞株に導入し、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析を実施し、その結果について解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者単独で実施している研究であり、研究代表者の勤務先での立場の変化(非常勤→助教)に伴い教育・管理業務が発生し、エフォート率の低下に伴い今年度に関してはやや進捗の度合いが低下している。次年度は最終年度であり、予定通り達成されるよう環境を整える予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
In vivo機能スクリーニングにて同定された膵癌増殖抑制因子について、引き続き機能解析を継続する。つまり、これらの因子を膵癌細胞株へトランスフェクションし、マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現の変動のin silico解析を継続する。また、膵癌のモデルマウスを用いて、動物個体における腫瘍抑制効果を検討し、ヒトでの応用可能性について検討する。
|