2013 Fiscal Year Research-status Report
腸管上皮の再生および炎症性発癌の過程におけるLgr5陽性上皮幹細胞の機能解明
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24790697
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
結城 崇史 島根大学, 医学部, 助教 (30397856)
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Keywords | 腸管上皮 / Lgr5 / IBD / 幹細胞 / 再生治療 |
Research Abstract |
私共のこれまでのIBDに関する炎症や発癌に関する研究を行ってきている。今回、Lgr5陽性細胞においてEGFPおよびLacZの発現観察が可能な遺伝子操作マウスを用いて、慢性腸炎を誘導したマウスから単離したLgr5陽性細胞における遺伝子発現を網羅的に解析し、幹細胞に誘導される再生、分化に関連した遺伝子の同定を目指している。また、同マウスにcolitic cancerモデルを作製し、腫瘍発生過程におけるLgr5陽性細胞での遺伝子発現変化を解析するとともに、発生した腫瘍細胞におけるGFPとLacZの発現解析によって腸管の炎症性発癌におけるLgr5 陽性細胞と癌幹細胞の関連を明らかにすることを検討している。上記検討をスムーズに行うため、今回の実験を進めるにあたり、その予備実験として、大腸における炎症性発癌の検討として、炎症発癌モデルを作成した。方法としては6~8週齢の雄マウスに、Azoxymethane 10mg/kgを単回腹腔内投与後したに2.5%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を2週間おきに3回反復して自由飲水させ、開始から約2か月後に形成された腫瘍の個数と大きさを検討した。検討方法としては、マウスを解剖し、大腸をホルマリン固定した後に、メチレンブルーで染色して実態顕微鏡で観察し、濃染される腫瘍の個数と大きさを計測して評価を行う方法で、検討した。安定した結果が得られるまで、繰り返し検討した。最近、安定した結果が得られるようになってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、大腸における炎症性発癌の検討として、axoxymethaneとデキストラン硫酸ナトリウムを用いたに炎症性大腸癌のモデルを作製し、検討した。発癌モデルとして安定した結果が得られるようになってきたため、今後の実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、慢性腸炎を誘導したマウスから単離したLgr5陽性細胞における遺伝子発現を解析、幹細胞に誘導される再生、分化に関連した遺伝子の検索。また、腫瘍発生過程におけるLgr5陽性細胞での遺伝子発現変化を解析と、発生した腫瘍細胞における腸管の炎症性発癌におけるLgr5 陽性細胞と癌幹細胞の関連を検討する予定である。
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