2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いたHCVに対する3者併用療法中の耐性株の動態の解析
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24790702
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
HAYES C.Nelson 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 特任講師 (50572327)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ウィルス / ゲノム / 遺伝子 / 医療 / 免疫学 |
Research Abstract |
平成24年度はいくつかの達成目標があった。まず一つ目の目標は、抗ウイルス薬耐性株がHCV治療前に存在するかどうかを検証することであった。次世代シーケンシングのエラー率は高いので、稀な変異体およびシーケンスエラーを区別することは困難である。そこで私は、稀な変異体の検出値を決定するいくつかの方法を評価した。キメラマウスモデルを用いて、抗ウイルス薬耐性株は、治療前に存在していただけでなく、治療の過程で生じたことを証明した。この結果は、薬剤耐性が抗ウイルス薬耐性株は既に存在していなくても患者に出現するかもしれないことを示している。しかし、抗ウイルス薬耐性株の存在は必ずしもウイルスの突破口にはならない。 研究の第2目標は、野生型株との競争の中で、耐性菌の適性を検討することであった。野生型株はしばしばDAA療法中にほとんど検出されなくなった。しかし、治療を中止したとき、野生型株は急速に回復し、変異株はほぼ検出されなくなった。これは、耐性変異が薬剤の存在下で強力な競争優位性を与えるが、薬剤が存在しないときに複製を妨げる可能性があることを示している。この結果は、耐性変異が低い適性を持っている薬をつくる上で役立つと考えられる。 研究の第3目標は、HCVウイルス抵抗データベースを開発することである。DAAの有効性に関するHCV変異の効果について実験データを現在も集めている。データベースには、DAAの併用療法のための薬剤の薬物設計および選択のための重要なリソースとなるため、非常に重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は予定通りである。薬剤耐性株は通常野生株と同じほど効率的には複製しないために、DAA療法が行われていない場合にはその存在比が減少する。DAAの存在下と非存在下の耐性変異の比率の変化を比較した。HiSeqシーケンサにイルミナGenome Analyzerを使用してから切り替えた。これは、抗ウイルス薬耐性変異体のより迅速かつ高感度な分析が可能になる。さらなる改良と試験後のパブリックサーバーにウイルス抵抗性のデータベースを掲載する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度では、抗ウイルス薬耐性のリスクに関連する遺伝子マーカーを検討する。ウイルス因子は突然変異率に影響を与え、抗ウイルス抵抗性のリスクを高めるかどうか。を検討する。さらに、抗ウイルス抵抗性のリスクを高める患者の要因を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
もともとリバビリンの突然変異率を調べることを提案しのに、否定的な結果にはいくつかの類似の研究が最近発表されていた。
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Research Products
(1 results)