2013 Fiscal Year Annual Research Report
散発性大腸がん患者におけるMDF発生にかかわる遺伝子異常および分子機序の解明
Project/Area Number |
24790713
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
酒井 英嗣 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (30600233)
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Keywords | mucin-depleted foci / 大腸発癌 / de novo pathway |
Research Abstract |
我々は研究期間内に82症例、計48病変のMDFの解析を行った。うち30症例は25 crypt以下の小病変であり、マイクロダイセクションをおこなっても、十分量のDNA・RNAを抽出できなかった。DNAを抽出できたのは18症例だが、500ng~1μgと非常に少量であり、RNAまで抽出するのは困難であった。抽出したDNAにバイサルファイト処理後、以前同定した、2-Group 24種のメチル化マーカーを用い、Pyrosequencing法によりDNAメチル化異常の解析をおこなった。ホルマリン保存期間が長かったため、8例であり、解析可能であった病変では、Group1、Group2マーカーともにメチル化率は低かった。このことから、MDFではまだ、メチル化が完了していない、あるいは低メチル化群に属する病変であることが予想される。遺伝子変異解析に関しては、ダイレクトPCR法やMassarray法を試みたが、解析困難であり、免疫染色を行った。TP53陽性となる症例はなく、3例でβ-catenin免疫染色で核内異常集積を認めた。 本研究では、ホルマリン保存された検体を使用したため、質の高い十分量のDNA・RNAを得ることが困難であった。しかし、解析可能であった症例の結果を考慮すると、MDFの発生にはDNAメチル化異常は関与しておらず、β-cateninが重要な働きを担っている可能性が疑われる。分子機序を明らかにするためには、やはりRNAを用いた解析で下流遺伝子の発現を調査する必要がる。そのためには、可能であれば、ホルマリンに保存していない、生検体が必要であり、我々は内視鏡的な同定を試みている。また、我々がMDFが進展した病変と考えているflat neoplasmに関しても、症例を集積、現在メチル化異常、遺伝子変異に関して解析を行っている段階である。
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[Journal Article] Methylation epigenotypes and genetic features in colorectal laterally spreading tumors.2014
Author(s)
Sakai E, Ohata K, Chiba H, Matsuhashi N, Doi N, Fukushima J, Endo H, Takahashi H, Tsuji S, Yagi K, Matsusaka K, Aburatani H, Nakajima A, Kaneda A.
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Journal Title
Int J Cancer.
Volume: in print
Pages: in print
Peer Reviewed
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