2013 Fiscal Year Research-status Report
原発性胆汁性肝硬変症の新たなバイオマーカーと免疫療法の検討
Project/Area Number |
24790724
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉田 勝紀 関西医科大学, 医学部, 講師 (00411554)
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Keywords | PBC / TGF-b / Smad |
Research Abstract |
目的 ウイルス性慢性肝疾患の肝細胞において、C末端がリン酸化したTGF-βシグナル伝達因子Smad3 (pSmad3C) を介する癌抑制シグナルが、中央部にあるリンカー部リン酸化Smad3 (pSmad3L) を介する線維化・癌化シグナルに転換するため、発癌しやすい環境が形成されると報告した 。一方Smad2のリン酸化は線維化に関わると報告した。今回、原発性胆汁性肝硬変症(PBC)における線維化・発癌メカニズムについて、慢性C型肝疾患症例と比較検討した。 方法 非発癌PBC 75例 (stage I: 53例、II: 14例、III: 7例、IV: 1例)、発癌症例5例と慢性C型肝炎80例 (F1: 20例、F2: 20例、F3:20例、F4: 20例)、発癌症例20例を対象として当研究室で作成したSmad2,Smad3リン酸化抗体を用いた免疫組織染色を行い、肝細胞におけるSmad2/3のリン酸化状態を検討した。 結果 1. PBCおよび慢性C型肝炎のどちらもStageが進行するにつれてSmad2L/C pSmad3Lは亢進した。Smad2L/CはStageの進行とともにリン酸化は更新し両疾患群で優位差は認めなかった。一方、どのStage においても慢性C型肝炎と比較すると非発癌PBC症例では、細胞増殖・線維化に関わるSmad3Lリン酸化程度は低く、癌抑制に関わるpSmad3C経路は保たれていた。 2. PBC、C型慢性肝疾患からの発癌症例では、線維化進行症例に限られており、高Smad3Lリン酸化・低Smad3Cリン酸化群であった。発癌したPBC症例では、診断当時から高Smad3Lリン酸化状態を呈していた。 考察 PBCでは慢性C型肝炎と比較して、発癌シグナルの亢進が進まず、癌抑制シグナルを保持しているために、肝細胞癌の発生が少ないものと考えられた。しかし、診断時から発癌シグナルが高いPBC症例では早期に肝硬変に進行し、発癌する危険性が高く慎重な経過観察が必要であると考えられた。一方、Smad2を介する線維化シグナルはC型肝炎、PBCで優位差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸化抗体を用いた検討はおおむね順調に進行している。 動物実験についてはモデル作成に6ヶ月かかるため、少し時間がかかりそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
人PBCの結果はほぼ予定通り集まっており論文作成を行いたい。 また、マウスのモデルを使用した検討を行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度末に納品があったため。 平成25年度末に納品があったデータマイニングサービスについては平成26年度の基金振込後に執行いたします。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Reversible phospho-Smad3 signaling between tumor-suppression and fibro-carcinogenesis in chronic hepatitis B infection2014
Author(s)
Deng, Y.R., Yoshida, K., Jin, Q., Murata, M., Yamaguchi, T., Tsuneyama, K., Moritoki, Y., Niu, J., Matsuzaki, K., Lian, Z.X.
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Journal Title
Clinical and Experimental Immunology.
Volume: 176(1)
Pages: 102-111
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Possible Involvement of Foxp3(+) Regulatory T Cells in the Development of Immune-Mediated Pancreatitis in MRL/Mp Mice Treated with Polyinosinic:Polycytidylic Acid.2014
Author(s)
Koyabu M, Uchida K, Sakaguchi Y, Fukata N, Kusuda T, Miyoshi H, Yoshida K, Sumimoto K, Mitsuyama T, Fukui T, Nishio A, Okazaki K.
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Journal Title
International Journal of Rheumatology
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Phosphorylated Smad2 and Smad3 signaling: Shifting between tumor suppression and fibro-carcinogenesis in chronic hepatitis C.2013
Author(s)
Yamaguchi T, Matsuzaki K, Inokuchi R, Kawamura R, Yoshida K, Murata M, Fujisawa J, Fukushima N, Sata M, Kage M, Nakashima O, Tamori A, Kawada N, Tsuneyama K, Dooley S, Seki T, Okazaki K.
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Journal Title
Hepatology Research
Volume: 43(12)
Pages: 1327-1342
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] IgG4関連疾患よりみた自験自己免疫性肝疾患の検討2013
Author(s)
吉田勝紀, 小藪雅紀, 内田一茂, 池田広記, 中橋佳嗣, 廣原淳子, 山口隆志, 松崎恒一, 村田美樹, 関寿人, 岡崎和一
Organizer
第49回日本肝臓学会総会
Place of Presentation
東京 京王プラザホテル
Year and Date
20130607-20130608
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[Presentation] 単クローン抗体を用いたELISAによるリン酸化Smad定量化の試み(癌・線維化シグナルからみたC型慢性肝疾患の病態把握)2013
Author(s)
山口隆志, 松崎恒一, 吉田勝紀, 村田美樹, 井口亮輔, 川村梨那子, 関寿人, 岡崎和一, 横井川規巨, 柳田英佐, 北出浩章, 權雅憲
Organizer
第49回日本肝臓学会総会
Place of Presentation
東京 京王プラザホテル
Year and Date
20130607-20130608