2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790736
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
許 東洙 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20616651)
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Keywords | 心房細動 / 肥満 / リモデリング / Caハンドリング |
Research Abstract |
本研究は、高脂肪食ラットモデルにおける心房細動のメカニズムを検証することを目的とし、肥満モデル動物における心房リモデリングに、NAD+依存性脱アセチル化酵素であるsirtuin-1(SIRT1)が鍵分子として関与し、その発現・活性の低下がエネルギー代謝や炎症、カルシウム調節機構に変化をもたらすことで心房細動の起こりやすい基質が形成されているという仮説を立証し、さらにその知見に基づいた心房細動の新たな予防的治療法の開発を目指して計画した。 高脂肪食投与による肥満ラットモデル動物を用いて電気生理検査・心房細動誘発試験を行い、肥満に基づくin vivoでの電気生理学的変化、病理組織評価を行った。また心房における哺乳類サーチュイン関連因子、カルシウム調節因子の遺伝子・タンパク発現を評価した。健常ラットおよび肥満ラットにおける心房単離心筋を用いて、カルシウムイメージングを行った。結果、高脂肪食肥満モデルでは心房細動の誘発率と誘発時間が有意に延長し、電気生理検査では、心房の有効不応期が有意に短縮されていることが分かった。病理学所見では、線維化が高脂肪食肥満モデルで著しく進んでおり、血清中・内臓脂肪中のアディポサイトカイン、カルシウム調節因子であるp-CAMKII, p-SERCA, p-RYR,が高脂肪食肥満モデル有意に増加しており、高脂肪食肥満モデルは、カルシウムハンドリングの変化が、メタボリックシンドロームでAFを促進する催不整脈性基質の形成に関与している可能性があることを確認した。しかし、今回の実験でNAD+依存性脱アセチル化酵素であるsirtuin-1の変化は認めず、さらに、sirtuin-1がカルシウム調節機構との直接関連は確認できなかった。
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