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2013 Fiscal Year Research-status Report

転写因子KLF6による肥満と2型糖尿病の発症機序の解明

Research Project

Project/Area Number 24790743
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

石田 純一  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10625536)

Keywords小型脂肪細胞 / 肥満 / 糖尿病 / KLF6
Research Abstract

(i) 肝臓特異的KLF6ノックアウトマウスの解析:肝臓特異的KLF6ノックアウトマウスは高脂肪食負荷条件下では、体重増加が対照群と比較して有意に低減され、インスリン抵抗性を呈しにくく、耐糖能はより保持される、という表現型を呈した。KLF6が肝細胞においてmiRNA 10bの発現抑制を介してPPARaの発現を間接的に促進する、という作用機序が確認された。
(ii) 脂肪組織選択的KLF6ノックアウトマウスの解析:脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウスに高脂肪食負荷を行った。予備検討の段階であるが、下記結果が得られた。脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウスは対照群と比較して、体重増加が有意に低減され、肝重量が軽い一方、白色、褐色脂肪組織いずれも組織重量に有意な差は認められなかった。組織所見については脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウスで肝臓の脂肪変性が有意に抑制されており、また白色脂肪組織では小型脂肪細胞の数やその周囲の細胞成分が数多く認められた。これらは全身KLF6ヘテロノックアウトマウスに高脂肪食を負荷した際に認められた表現型と酷似しており、脂肪細胞においてKLF6が肥満や糖尿病形成において直接的に関与することを示唆している。
(iii) マクロファージ選択的KLF6ノックアウトマウスの解析:高脂肪食負荷下でマクロファージにおけるKLF6の働きが肥満や糖尿病の病態形成に関与するかを検討するために、マクロファージ選択的KLF6ノックアウトマウスを作成し、高脂肪食を負荷した。マクロファージ選択的KLF6ノックアウトマウスにおける体重増加、肝臓や脂肪組織の組織重量と組織所見は対照群と比較して有意な差異を認めず、本疾患モデルにおいてKLF6がマクロファージにおいて果たす役割は大きくないものと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウスの作成には成功したものの、ノックアウトマウスとコントロールマウスをバランスよく繁殖させることが困難であり、計画通りに実験を進めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

(i) 肝臓KLF6ノックアウトマウス、(ii) 脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウス、(iii) マクロファージ選択的KLF6ノックアウトマウスの表現型を解析している。
(i)については表現型を解析し、KLF6の下流因子を同定することができた。
(ii)については引き続き解析を進める。上記理由にてマウスの繁殖に時間を要したが、少数例ずつの検討を繰り返し、組織サンプルや血液検体は冷凍保存の状態で管理している。このまま実験を継続し、まとまった検体数が得られた時点で解析を開始する。また脂肪細胞におけるKLF6の役割についても肝細胞同様に検討していく。
(iii)については表現型解析の時点で有意な差が認められなかったため終了とする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

脂肪組織特異的KLF6ノックアウトマウスの作成には成功したものの、ノックアウトマウスとコントロールマウスをバランスよく繁殖させることが困難であり、計画通りに実験を進めることができなかった。
少数例ずつの検討を繰り返し、組織サンプルや血液サンプルは冷凍保存の状態で管理している。また親マウスの交配を工夫し、十分な個体数のコントロールマウスを獲得することに成功した。今後これらのマウスを用いた実験を継続しサンプルを回収し、保存されているサンプルとあわせて、それらの解析に研究費を使用する。

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Published: 2015-05-28  

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