2013 Fiscal Year Annual Research Report
心筋オートファジー制御による左室リモデリング改善効果と治療応用
Project/Area Number |
24790751
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金森 寛充 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20456502)
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Keywords | オートファジー / レスベラトロール / 心筋梗塞 / 心不全 / 心保護効果 |
Research Abstract |
心筋オートファジー制御による慢性期虚血性心不全への治療応用 申請者はこれまでに心筋オートファジーは様々な外的ストレスに対し心保護的に作用する代償機構であることを検証してきた。オートファジーはいわゆる善玉ということである。つまりオートファジーを制御することが循環器疾患への臨床応用につながることを示している。そこで本研究ではresveratrolを用いてオートファジー制御を試みた。resveratrolはポリフェノールの一種で抗酸化作用を有するが、近年では強力なオートファジー促進作用も持つことを報告され注目される化合物である。 そこで陳旧性大型心筋梗塞によるマウス心不全モデルを用いてこの薬剤によるオートファジーと抗心不全効果について検討した。この心不全モデルに対し2週間浸透圧ミニポンプを用いて投与したところ、コントロール群と比較し有意に心拡大を抑制し左室リモデリングの改善と左室収縮能・拡張能など心機能改善を認めた。また心体重比、肺体重比、心筋ANP発現は減少し心不全が軽減していた。この心筋ではオートファジーが促進していることがLC3、P62、カテプシンDの免疫染色やウェスターンブロッティングにより確認された。また電顕ではオートファゴゾーム、リソソームの増加により確認された。次にresveratrolのオートファジーへの特異的作用とそのシグナル同定をマウス幼若心筋細胞を用いてin vitroで検討した。resveratrolはAMPK活性化によりmTORを抑制しオートファジーを亢進することで心筋内ATP産生に寄与していることが示唆された。 以上よりresveratrolはAMPK,mTOR経路を介したオートファジーを亢進作用があり、これによる心筋内ATP産生が増加が心機能改善に寄与し結果として抗心不全効果をもたらすことが示唆された。
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