2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790760
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土肥 由裕 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 特任助教 (20455786)
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Keywords | 肺高血圧症 / 心肺運動負荷テスト |
Research Abstract |
本研究は、肺動脈性肺高血圧症発症のhigh risk群において、発症リスク予測に有用なマーカーの同定を目的とする。測定項目として 、心エコー図、心電図、肺機能検査に加えて右心カテーテル検査、心肺運動負荷試験、運動負荷心エコー図をあげている。現在high r isk群として膠原病患者を対象に上記項目のうち右心カテーテル検査および運動負荷心エコー図以外の項目について評価を行った症例 数は92例となった。また、本研究では右心カテーテルでの肺毛細血管床からの血液サンプルを採取する予定である。本年度右心カテー テルおよびサンプル採取行った例は128例になる。これらは肺動脈性肺高血圧症を既に発症している患者群からの採取となっている。こ れらの患者群において、心肺運動負荷試験を同時に施行しているが、健常人に比し明らかに酸素摂取量を中心とした心拍出量依存 性のパラメーターが低下していることが確認された。さらに、これらの値は肺動脈性肺高血圧症においては慢性血栓塞栓性肺高血圧症 と比べ有意に低下していた(43.5±9.2 vs 58.5±10.8, p<0.05)。この結果は、心肺運動負荷試験が肺血管床障害を早期からとらえ ることが出来る可能性を示唆している。今後、high risk群においてもこういったパラメーターを比較することで肺動脈性肺高血圧症 発症のhigh risk群の同定に近づける可能性がある。さらに、肺血管床における血液サンプルの解析を進めることでより正確なhigh ri sk群の同定が可能となる可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画書における右心カテーテルからの採血は進んでいる。症例数としても十分であり、今年度中には目標としていた200症例に到達すると考えている。運動負荷心エコーを施行する事としていたが、運動負荷心エコーのシステム構築に時間がかかっている。また、マウスを用いた実験においては、肺高血圧症モデルの構築が進まず、ノックアウトマウスを用いた解析まで進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
運動負荷心エコーにおいては、本年度よりシステムを構築した。このシステムを用いて毎週金曜日には運動負荷心エコーが施行できる環境となった。本年度、運動負荷心エコー施行目標症例は50症例とする。また、採取している血液サンプルは既にELISAによる解析を進行中であり、今後もさらに進めていく。 肺高血圧症モデルマウスの作成であるが、現在様々な刺激(モノクロタリン、低酸素、VEGF受容体拮抗薬、etc)による影響を確認出来る状況を構築し、現在進行中である。モデルマウス作成後には予定通りBach1 KO mouseを用いた解析も行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度ELISAを用いた患者血清における炎症性サイトカインの測定を行う予定であった。しかし、サンプル数が十分に集まらなかったため、本年度は施行しなかった。 また、肺高血圧症モデルマウスの作成を行っているが、本年度は作成に成功しなかった。このため、必要と考えていた遺伝子改変マウスの購入、またマウスにおける右心系圧測定システムの購入を本年度は行っていない。 ELISAキットの購入に100万前後、右心系圧測定システムの購入には100-150万を予定していたため、次年度使用額として計上することとなった。 上記通りであるが、ELISAキット購入で100万前後、また右心系圧測定システムの購入に100-150万の費用を予定している。
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Research Products
(5 results)