2013 Fiscal Year Annual Research Report
心血管疾患におけるマイクロRNA発現評価と発現調節による新規治療の開発
Project/Area Number |
24790766
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
得能 智武 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50567378)
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Keywords | 分子血管病態学 / マイクロRNA / 低酸素 |
Research Abstract |
本研究では、まず臨床研究において心血管疾患におけるマイクロRNA発現を検討した。対象として、心血管疾患発症リスクの高い睡眠時無呼吸症候群の患者を選択し、血漿中で発現するマイクロRNAの同定、持続陽圧呼吸装置(Continuous Positive Pressure: CPAP)治療後のマイクロRNA発現変化を検討した。当院へ入院し、ポリソムノグラフィーでAHI(apnea hypoxia index)30以上であり、睡眠中のCPAP治療に賛同された患者を登録した。心血管疾患の合併症なく、治療の前後で測定出来た症例は11例(男性10例、女性1例)。平均年齢 58.3歳。CPAP治療により、AHIは59.4から6.5まで有意に改善した。また血圧及び血管内皮機能(FMDにて測定)も改善傾向を認めた。以上の患者において血漿からマイクロRNAを抽出した。まず、4人分からマイクロRNAアレイを施行し、変化の大きいものを選択し、さらに11人の検体を用いてq-PCRを施行したが、今回の症例群では治療の前後で有意差を認めたマイクロRNAを同定出来なかった。 マイクロRNA-132(miR-132)の心血管疾患への治療応用を検討した。培養血管内皮細胞を用い1%酸素で培養し、細胞内でのマイクロRNA発現量を検討した。miR-132は0.74倍に有意に低下し、miR-210の発現は2.20倍に増加した。miR-132のターゲットの1つであるp120RasGAPは細胞増殖を促すRasを不活化するGTPaseの補酵素であるため、miR-132投与による細胞増殖及び血管新生効果を予測して、マウス下肢虚血モデルに投与した。虚血領域に筋注したが、p120RasGAPの発現に変化なく、レーザードップラーで測定した虚血の改善も明らかなものは見られなかった。直接筋注ではマイクロRNAが拡散し、効果が少ないと思われたため、以前の実験で蛋白の局所投与に有効であったナノファーバージェルを用いて混注したが、同様の結果であった。今後miRNAデリバリーの工夫が重要であり、有効な方法を再検討する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Stimulation of α7 nicotinic acetylcholine receptor by AR-R17779 suppresses atherosclerosis and aortic aneurysm formation in apolipoprotein E-deficient mice.2014
Author(s)
Hashimoto T, Ichiki T, Watanabe A, Hurt-Camejo E, Michaëlsson E, Ikeda J, Inoue E, Matsuura H, Tokunou T, Kitamoto S, Sunagawa K.
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Journal Title
Vascul Pharmacol.
Volume: In press
Pages: In press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Deletion of phd2 in myeloid lineage attenuates hypertensive cardiovascular remodeling.2013
Author(s)
Ikeda J, Ichiki T, Matsuura H, Inoue E, Kishimoto J, Watanabe A, Sankoda C, Kitamoto S, Tokunou T, Takeda K, Fong GH, Sunagawa K.
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Journal Title
Am Heart Assoc,
Volume: 2
Pages: e000178.
DOI
Peer Reviewed
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