2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790789
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
今泉 聡 福岡大学, 医学部, 講師 (60609478)
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Keywords | HDL機能 / コレステロール引き抜き能 / 抗酸化能 / ステント内再狭窄 / 禁煙 |
Research Abstract |
研究1:HDLの機能(コレステロール引き抜き能、抗酸化能)がステント内再狭窄の予測因子・抑制因子と成り得るかを、当院でステントを留置された48症例を対象に検討した。その結果、ステント留置時のコレステロール引き抜き能はΔ%DS (follow upの%DS - ステント留置時の%DS)及びステント内径狭窄率と有意な相関を認めた。follow upのコレステロール引き抜き能もまた、ステント内径狭窄率と有意に相関していた。また、症例をコレステロール引き抜き能で3群に分けた場合、follow upのコレステロール引き抜き能が低い群は、高い群よりステント内径狭窄率が高かった。一方、患者の脂質プロファイルとHDLの抗酸化能の、Δ%DSやステント内径狭窄率との関連は認められなかった。HDLのコレステロール引き抜き能はステント留置後のステント内再狭窄に対する新しい予測因子・抑制因子となる可能性がある事がわかった。 研究2:禁煙によるHDL機能への影響を検討するため、当施設禁煙外来通院者を対象に禁煙前後でのHDL機能の評価を行った。32名が登録され、無作為にバレニクリンもしくはニコチネルパッチによる禁煙介入が施行された。禁煙達成率は75%であった。禁煙成功群では、禁煙前後でapoA-I値、HDL-C値およびHDL亜分画には有意な変化を認めなかったにも関わらず、HDLのコレステロール引抜き能と抗酸化能には有意な改善を認めた。さらに禁煙成功群は不成功群と比べて、有意にこれらのHDL機能の改善を認めた。禁煙によりHDL機能の改善がもたらされることが明らかとなった。
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