2013 Fiscal Year Research-status Report
肥大型心筋症の発症機序解明と治療法開発に関する基礎研究
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24790791
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
杜 成坤 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (90590646)
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Keywords | 肥大型心筋症 / トロポニン / ミューテーション / ノックインモデル / カルシウム感受性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心筋トロポニンT遺伝子の突然変異で、重篤な肥大型心筋症を引き起こすミスセンスS179Fを導入したノックインマウスを作製し、ヒトの肥大型心筋症の病態発現メカニズムの解明を進め、突然死の予防法・治療法の開発に繋げることである。平成25年度は、前年度の引き続き、長期観察によって、死亡率を統計した。その結果、ノックインマウスはおよそ一割が死亡したが、その中の約半分は若年死(生後2ヶ月以内)であることが分かった。心臓病理組織学的所見において、野生型に比べ、ノックインマウスでは重度の錯綜配列、間質繊維化及び中隔厚の不均一性が観察された。左心室単離心筋細胞実験において、細胞内カルシウムの動態を解析したところ、ノックインマウスでは、電気刺激によって、カルシウム動態の異常が認められた。また、肥大型心筋症における自律神経調節機構を調べるために、交感神経刺激などに対する反応を観察したところ、ノックインマウスの死亡率が増加する傾向が見られた。現在、心臓左心室に対して、生化学解析を進め、in vivoにおけるpressure-volume loopなどの実験を追加している。また、治療薬の検討も行っている。 今後、細胞内カルシウムハンドリング及び心臓分子リモデリングなどの解析を最終的にまとめながら、有効な治療薬・治療法の探索を行う予定である。更に、今まで得られた知見を学会に発表すると同時に、論文発表の準備を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は心筋トロポニンT遺伝子の突然変異の一つで、重篤な肥大型心筋症を引き起こすミスセンスS179Fを導入したノックインマウスを作製し、ヒトの肥大型心筋症の病態発現メカニズムの解明を進め、突然死の予防・治療法の開発に繋げることである。 本年度では、前年度にこのノックインモデルの作製に成功したうえで、単離心筋細胞解析、心臓分子リモデリングなど生化学的解析が進んでおり、治療薬の探索もスタートしたので、本年度における研究目的の達成度としてはおおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書記載した通り、25年度以降(25年度と26年度)単離心筋細胞、生化学解析、治療薬の探索など研究を引き続き行っており、一歩一歩着実に成果を出していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子解析であるマイクロアレイ解析は外注し、現在解析は進行中である。その費用の支払いを26年度に回したため、残額が生じた。 26年度は、マイクロアレイ解析費用の支払い以外は、計画書通りで、主に動物維持、薬剤、成果発表旅費などに使用する予定である。
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Research Products
(10 results)