2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規心臓特異的リン酸化酵素の活性調節に基づく心不全・心筋症治療薬の開発
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24790792
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
瀬口 理 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (60570869)
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Keywords | 心不全 / 創薬 |
Research Abstract |
本研究課題は①心不全・心筋症における心筋型ミオシン軽鎖キナーゼ(cardiac-MLCK)-ミオシン軽鎖シグナル解析および、②cardiac-MLCKリン酸化活性調節剤の同定、開発のふたつの研究を軸に行ってきた。 ①に関しては国立循環器病研究センターにて施行した左室補助人工心臓装着症例および心臓移植症例の手術時に採取したヒト心筋検体と大動脈縮窄(TAC)心不全モデルマウスから得られた心筋検体からのcardiac-MLCK、ミオシン軽鎖遺伝子・タンパク発現解析を行うためにそれぞれの検体収集、抗体作成、定量PCRプローブ作成を行い、順次解析を行う予定としている。 ②に関しては当初、様々なシーズ化合物からcardiac-MLCKの活性を動かす化合物のスクリーニングを行うため、cardiac-MLCKによるミオシン軽鎖リン酸化を評価するアッセイ系の確立に努めた。しかしながら、確立されたアッセイ系では多剤の化合物スクリーニング系には適しないと判断されたため、研究期間中に新たなアプローチを導入した。新たなアプローチではcardiac-MLCK活性中心を標的としてアロステリックに活性を制御する薬剤をスクリーニングする方法を導入した。具体的にはビオチンタグ付きのcardiac-MLCKを大量合成し、東京大学大学院理学系研究科、生物有機化学教室(菅裕明教授)と共同で同教室にて行っている「RaPIDシステム」による結合合成ペプチドのスクリーニングを行った。研究期間最終年度の平成25年7月に、cardiac-MLCKと直接相互作用する複数の特殊ペプチドの合成、同定に成功し、今後はこれらの創薬候補ペプチドに関してcardiac-MLCKリン酸化活性に、どのように影響するかについてすでに確立しているcardiac-MLCKリン酸化活性アッセイ系を使用して行っていく予定である。
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