2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790798
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 高明 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70516997)
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Keywords | ALK陽性肺癌 / アレクチニブ / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
新規ALK阻害薬アレクチニブによる肺癌細胞株の耐性機序を解明した。 ALK阻害薬に対する初期耐性として、腫瘍周囲からのEGF刺激によりEGFRがリン酸化され、ALKの下流シグナル(AKT, ERK1/2)を介して生存シグナルを代償することが本研究で示された。また、肺がん手術症例の検体における免疫染色の結果、ALK陽性肺がん患者9例はすべてpanEGFRが発現していることが示された。(ALK陰性肺腺癌は231例、このうちpanEGFR陽性は150例、65%) また、獲得耐性機序についてはALK陽性肺癌細胞株H3122を長期間アレクチニブに暴露し耐性化させた細胞株H3122AFRを樹立し検討を行った。H3122AFRにおいてSNP arrayによる全遺伝子の網羅的copy number解析を行い、EML4-ALKのfocal amplificationのパターンを解析した。またレセプター型チロシンキナーゼのスクリーニングでは、EGFーEGFRシグナル系の関与も確認されたが、このほかMETの関与が強く示唆された。つまりMETのタンパク発現亢進により、リン酸化受容体がALKの下流シグナルを活性化することが示された。 これらの耐性を克服する手段として、①EGFR阻害薬(Erlotinib)とアレクチニブの併用、②MET阻害薬(crizotinib)とアレクチニブの併用の効果についてマウス皮下腫瘍移植モデルで有効性が確認された。 この研究は2014年アメリカ癌学会総会(San Diego)で発表され、現在論文投稿中である。
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Research Products
(1 results)