2013 Fiscal Year Annual Research Report
治療標的としての肺癌新規幹細胞候補遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
24790808
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷 哲成 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30621635)
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Keywords | マイクロRNA / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
我々は肺癌幹細胞特異的に発現する遺伝子を探求するため、癌幹細胞を選択的に培養する方法として知られている各種成長因子を添加した無血清培地での足場非依存性培養による細胞塊(sphere)形成を肺癌細胞株の一つであるHCC4006株に対して行い、マイクロアレイを用いた発現解析にて通常培養とのmRNAレベルでの比較を行った。sphere形成細胞では肺で特異的に発現しているSFTPA2遺伝子の発現が約6000倍に上昇していた。不死化ヒト正常気道上皮細胞を含む16の肺癌細胞株において、通常培養を行った場合の2遺伝子のmRNAレベルでの発現を解析したところ、多くの細胞株で本遺伝子は低発現であった。この中でHCC4011細胞株に対しsphere形成を行うと、HCC4006同様本遺伝子の発現は上昇していた。 一方、HCC4006細胞株を、sphere形成培養と通常培養を行い、マイクロRNAの発現を比較したマイクロアレイにおいて、miR-125bの発現が低くなっていた。miR-125bはweb上のでデータベースにおいて、SFTPA2遺伝子をターゲットとしているため、miR-125bは肺癌幹細胞に抑制的に働く可能性を考えた。miR-125bをHCC4006細胞株に遺伝子導入あるいはそのinhibitorで発現を抑制したところ、増殖能はむしろ増加し、inhibitorにて増殖能の抑制がみられた。sphere形成能には大きな差を見いだせなかった。 今後マイクロアレイから得られた他のマイクロRNAの影響、SFTPA2遺伝子の抑制や、強制発現によりどのような表現型が得られるか、さらに検討が必要である。
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[Journal Article] TIMELESS is overexpressed in lung cancer and its expression correlates with poor patient survival2013
Author(s)
Yoshida K, Sato M, Hase T, Elshazley M, Yamashita R, Usami N, Taniguchi T, Yokoi K, Nakamura S, Kondo M, Girard L, Minna JD, Hasegawa Y
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 104(2)
Pages: 171-7
Peer Reviewed