2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790810
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永野 達也 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (80624684)
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Keywords | ホスホリパーゼCepsilon / 喘息 / ヘルパーT細胞2型 / 細胞内シグナリング / 卵白アルブミン / マウス |
Research Abstract |
ホスホリパーゼCepsilon (PLCepsilon)の野生型(WT)マウスおよびノックアウト(KO)マウスを使用して、アレルギー性気道炎症におけるPLCepsilonの役割について解析を行った。卵白アルブミン(OVA)を抗原とする急性喘息マウスモデルを作成したところ、WTで見られる気道過敏性の亢進、気管支血管周囲の炎症、PAS陽性の粘液細胞の増加はKOでは著明に抑制されていた。また、気管支肺胞洗浄液中のヘルパーT細胞2型サイトカインはWTに比較してKOで著明に産生が抑制されていた。一方、OVA特異的IgGやIgEの産生、CD11c陽性樹状細胞の遊走能、肥満細胞の脱顆粒には遺伝子型による違いが見られなかった。マウスの急性気管支喘息モデルから肺を取り出し、qRT-PCRと免疫染色で炎症性サイトカインの発現を解析したところ、WTに比較してKOではCcl2やCxcl2などの炎症性サイトカインの発現が抑制されていた。WTとKOのマウスの肺から線維芽細胞と気道上皮細胞を単離、培養しin vitroでTNFalphaで刺激したところ、これらのサイトカインはin vivoでの実験と同様に発現が抑制されていた。以上の事から、PLCepsilonはヘルパーT細胞2型を介する気道炎症に重要な役割を果たしており、特に非免疫細胞からの炎症性サイトカインの産生に関与していることを明らかにした。この研究結果から、PLCepsilonが気管支喘息の重要な分子標的になる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)