2013 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌におけるc-METを標的とした新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
24790827
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東 公一 久留米大学, 医学部, 講師 (00368896)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / Met / ペプチド |
Research Abstract |
最近の分子生物学の進歩により腫瘍発生の原因となる遺伝子変化も各個人のレベルで比較的容易に解析することが可能となり、癌遺伝子の機能を制御する分子標的治療薬を用いた個別化治療が一般化されつつある。進行非小細胞肺癌における上皮成長因子遺伝子変異やEML4-ALKの発見は肺癌患者の予後を改善し分子標的治療薬の発展に大きく寄与している。METは非小細胞肺癌で過剰発現しており、この遺伝子の過剰発現が予後不良因子と報告されている。この遺伝子を標的とすることは進行非小細胞肺癌の予後を改善するのに有益と考えられる。 癌免疫療法は外科療法、化学療法、放射線療法に次ぐ、新世代癌治療法として注目を浴びてきた。現在まで国内外の多くの研究グループにより、癌抗原に対する特異的免疫の誘導を目指す癌ワクチンの臨床試験が試みられてきたが、その治療効果は癌種や患者によって限定的で、治療抵抗性獲得の問題もあり、残念ながら第4の癌治療法として公認されるには至っていない。癌患者の予後の改善のためには新たなる標的を研究することが必要と考えられる。本研究では、肺がん患者組織及び肺がん細胞株におけるMetの発現を検討し肺がんにおける重要性を確認した。さらに、HLA-A2と親和性のあるMet由来のペプチドを合成して、健常人及び肺がん患者末梢リンパ球よりHLA-A2拘束性Met由来の細胞障害性Tリンパ球(CTL)を誘導できる抗原ペプチドの同定を行った。今回の研究で非小細胞肺がん患者に対するMetを標的とした癌ペプチドワクチン療法の可能性が示唆された。
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