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2012 Fiscal Year Research-status Report

ステロイド抵抗性を示すT細胞の特性解析

Research Project

Project/Area Number 24790830
Research InstitutionClinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital

Principal Investigator

神山 智  独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 先端技術開発研究室・研究員, 研究員 (20626783)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords免疫アレルギー学
Research Abstract

OVA特異的T細胞クローンの増殖応答によって、ステロイド感受性クローン(BF7, T6-2, T6-10)と抵抗性クローン(T5-1, T6-4, T6-7)を選んだ。ステロイド感受性および抵抗性クローンを抗原提示細胞、OVAと共培養し、終濃度1, 10, 100, 1000 nMとなるようにデキサメタゾン(DEX)を添加し、48時間後に上清を回収、ELISA法によりサイトカイン濃度を測定し、サイトカイン産生のステロイド感受性を調べた。IL-4、IL-5、IL-13、IFN-γを測定した。DEX濃度 0~1000 nMにおけるサイトカイン産生量からIC50を求めた。ステロイド感受性クローンBF7は、IL-4、IL-5、IL-13を産生し、IC50は31.9 nM、28.9 nM、6.3 nMだった。T6-2は、IL-13、IFN-γを産生し、IC50は6.3 nM、13.1 nMだった。T6-10はIL-5、IL-13を産生し、IC50は5.7 nM、3.8 nMだった。ステロイド抵抗性クローンT5-1は、IL-13、IFN-γを産生し、IC50は27.3 nMと20.9 nMだった。T6-4 は、IL-13、IFN-γを産生し、IC50は24.5 nM, 114.6 nMだった。T6-7は、IFN-γを137.2×103 pg/ml産生し、IC50 は43.3 nMだった。増殖反応がステロイド抵抗性のクローンも、サイトカイン産生はステロイド感受性であることが明らかになった。また、T細胞クローンをマウスに移入し、抗原チャレンジ、DEX皮下投与を行い、気管支肺胞洗浄液(BALF)に含まれる炎症細胞の計測とサイトカインのアッセイにより、in vivoにおけるサイトカイン産生のステロイド感受性を評価した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

ステロイド抵抗性クローンと感受性クローンの樹立、大量培養系を安定的に実行でき、初年度に予定していた実験のすべてを実施出来た。ステロイド感受性クローンと抵抗性クローンの選別と、in vitroサイトカイン産生におけるステロイド感受性の判定も実行できた。さらに、in vivoにおけるサイトカイン産生レベルのステロイド抵抗性/感受性評価を開始できた。また、ステロイド抵抗性のメカニズムを解明する目的に、遺伝子発現解析(ジーンチップ)を開始できた。以上のことから、初年度の研究達成度は十分に高いと考える。

Strategy for Future Research Activity

初年度に引き続き、T細胞クローン移入喘息モデルマウスを用いたin vivo実験系において、T細胞クローンのステロイド感受性および抵抗性の違いによるDEX投与時の気道炎症治療効果について評価する。抗原チャレンジとDEX投与を施したT細胞クローン移入喘息モデルマウスよりBALFを採取し、単球・好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球数の計測とサイトカインのアッセイを行う。同時に肺・気管支組織を採取し、HE 染色により組織の好中球・好酸球浸潤について評価する。前年度には行わなかった気道過敏性の評価を加える。in vitro研究では、ステロイド存在下におけるOVA特異的T 細胞クローンの遺伝子発現解析を行う。分子生物学的見地からT細胞クローンのステロイド抵抗性の機序を明らかにするため、DNAマイクロアレイを用いて、ステロイド存在下における遺伝子発現の網羅的解析を行う。抗原提示細胞(APC)の影響を排除するため、抗原刺激をAPCではなく抗CD3抗体と抗CD28 抗体によって行う。各T 細胞クローンを固相化抗CD3抗体と抗CD28抗体により活性化させ、DEXを終濃度1000 nMとなるように添加して培養する。培養開始24時間後に細胞を回収して、総RNAの抽出を行い、DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行う。3種類のステロイド抵抗性T細胞クローン(T5-1, T6-4, T6-7)について、ステロイド存在下での発現遺伝子を比較し、共通または特徴的な遺伝子発現の関連付けを行う。ステロイド抵抗性T 細胞で、ステロイド存在下において特徴的に発現量の増加または抑制が起こる遺伝子を選出する。さらに、RT-PCR により発現の確認を行い、経時的及び定量的な発現の変化を追う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本研究では、動物実験を行うため、実験に用いるマウスの購入費用(1500 円 x 200 匹)と実験に用いるまでの飼育にかかる経費(飼料、床敷等)を計上した。プラスチック類と細胞培養用試薬は、T 細胞クローンの培養に用いる細胞培養用プレート、滅菌ピペット、液体培地である。その他試薬は、T 細胞クローンの抗原刺激やマウスの抗原チャレンジに用いるOVA、ステロイド薬、各種バッファー類である。T 細胞クローンの遺伝子発現解析に用いるDNA マイクロアレイやハイブリダイゼーションキット、RT-PCR に用いるポリメラーゼ、プライマー等を遺伝子発現解析関連に計上した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] A contraction assay system using primary cultured mouse bronchial smooth muscle cells2013

    • Author(s)
      Satoshi Kouyama, Akemi Otomo-Abe, Noriko Kitamura, Osamu Kaminuma, Akio Mori
    • Journal Title

      International Archives of Allergy and Immunology

      Volume: 161 Pages: in press

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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