2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790830
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
神山 智 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (20626783)
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Keywords | 閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
重症喘息を特徴付けるT細胞レベルのステロイド抵抗性のメカニズムを解析し、治療介入の前提となる前臨床研究を行う目的に、ステロイド抵抗性喘息モデルを樹立した。OVAで感作したBALB/cマウスやDO11.10マウスからT細胞を選択的に単離し、抗原刺激、限界希釈を行い、T細胞をクローニングした。in vitroにおけるT細胞クローンのステロイド感受性と、T細胞クローンを無処置マウスに移入した後に抗原チャレンジを行うT細胞移入喘息モデルを用いて、in vivoでのステロイド感受性を評価した。in vitroでの増殖応答については、T細胞クローンBF7、T6-2、T6-10の増殖は用量依存的に抑制されT5-1、T6-4、T6-7の増殖は、抑制されないステロイド抵抗性クローンとされた。ステロイド感受性クローンを移入した場合、dexamethasone (Dex)の投与によって、BALF中好酸球数、リンパ球数は用量依存的に低下した。一方、ステロイド抵抗性クローンを移入した場合には有意な低下を認めなかった。すなわち、培養系(in vitro)でのステロイド感受性・抵抗性が、喘息モデル(in vivo)におけるステロイド感受性・抵抗性と一致することが確認できた。T細胞のステロイド感受性に基づくステロイド抵抗性喘息の樹立は世界ではじめての快挙と言える。 次いで、分子生物学的見地からT細胞クローンのステロイド抵抗性の機序を明らかにするため、DNAマイクロアレイを用いて、遺伝子発現の網羅的解析を行った。ステロイド抵抗性T細胞クローン(T6-4, T6-7)と、ステロイド感受性T細胞クローン(BF7、T6-2、T6-10) について、無刺激と固相化CD3抗体刺激下での発現遺伝子を解析した。多数の遺伝子の候補がピックアップされたので、validationを実施した。さらに、将来の治療介入をめざして、costimulatory signal阻害薬、および、低分子量シグナル伝達阻害薬につき、in vitroおよびin vivoの両面から同時に解析し、ステロイド抵抗性改善効果を確認した。
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