2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポドサイト発現蛋白・デンドリンを用いたIgA腎症進行度診断法の確立
Project/Area Number |
24790858
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
児玉 史子 順天堂大学, 医学部, 助教 (60599893)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | dendrin / ポドサイト / IgA腎症 / 慢性腎不全 / 慢性糸球体腎炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症は、糸球体硬化への進展に伴い、その約25-40%は末期腎不全に至り、最終的には透析療法が必要になる可能性が高い。糸球体硬化へ至る過程には糸球体上皮細胞(ポドサイト)障害が関与し、ポドサイト障害は蛋白尿の原因ともなる。我々は、dendrinのポドサイト核への移行が、ポドサイトのアポトーシスを誘発することを報告している。 ポドサイト障害がCathepsin Lの活性化を生じ、ポドサイトの足突起消失を引き起こすという報告がある。IgA腎症、微小変化型ネフローゼ症候群等の腎組織を用いた検討から、ポドサイトでのCathepsin Lの増加がdendrinの核移行を促進し、アポトーシスを増加させた結果を得られた。上記の結果も含め、Translocation of dendrin to the podocyte nucleus in acute glomerular injury in patients with IgA nephropathy.(Nephrol Dial Transplant. 2013 ;28:1762-72.) にて報告した。 アドリアマイシン(ADR)腎症マウスは、ポドサイト障害・蛋白尿・糸球体硬化を生じる。ADR腎症マウスにアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬・活性型ビタミンDアナログを投与すると、腎保護的な効果を認めた。さらに、培養ポドサイトを用いた同様の検討では、抗アポトーシス作用がみられた。これらの薬剤の効果とdendrinの核移行の関連を検討中である。
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