2012 Fiscal Year Research-status Report
自殺誘導マウスを用いたエリスロポエチン産生組織誘導法の開発
Project/Area Number |
24790861
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松本 啓 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30439799)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性腎不全 / 腎性腎血 / エリスロポエチン |
Research Abstract |
発達過程にある胎仔の後腎を移植するラット・マウス小動物モデルを用いて、①異種動物間移植をおこなった後腎においてもEPO産生能を維持しており、またそのEPO産生細胞の起源は後腎ドナーの動物種ではなく、レシピエント動物種が起源である事を示した。②Tie2-EGFPマウス、VEcad-EGFPマウスなど、血管内皮にEGFPを発現するマウスを作成し、それらマウスの骨髄を移植した‘骨髄のみトランスジェニック’となった骨髄移植後マウスをレシピエント動物とし、Wildマウスの胎仔後腎をレシピエント動物大網部に移植し、発達継続させてEPO産生細胞がレシピエントの骨髄由来であるか、血管内皮細胞由来であるかを検討し、その結果、骨髄を起源としている事を示し、さらにその細胞は間葉系幹細胞(MSC)を起源としている可能性がある事を示した。③自殺誘導遺伝子(ER-E2F1)搭載トランスジェニックマウスの後腎を足場として用いることにより、EPO産生細胞・組織が発達継続する過程において不必要となる異種部分を排除し、目的とする動物種のEPO産生組織を再生させる事が可能であることを報告した。 将来的にヒト臨床応用可能な自己細胞由来のEPO産生組織の再生を目指しているが、その基盤研究として、マウスおよびラットを用いた小動物のEPO産生組織を生体内で長期維持させる事を目的として更なる検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エリスロポエチン産生組織を新規発生させる可能性を証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、自殺誘導マウスを用いた自己細胞由来のEPO産生細胞を発生させることには成功したものの、Tamoxifen 投与量や投与期間などによって、発達継続する後腎に変化があると想定されるため、投与量・投与期間の詳細な調整を行い、発生したEPO産生組織が生理的分泌調整能を有し、その機能を長期維持するための至適プロトコールの検索が必要である。これらを精査する事によって、ER-E2F1 Tgマウスを用いて再生したEPO産生組織が機能的に働くか否かをさらに評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述のように、Tamoxifenおよび免疫抑制剤の投与量や投与期間などによって、発達継続する後腎に変化が起こり得ると想定されるため、投与量・投与期間の調整のために条件を調整した実験系が必要となり、そのために条件ごとの試薬などが必要になると想定される。最終的により効率を良く、長期機能的生存可能なEPO産生組織を発達継続させる指摘プロトコールを検討する。
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Research Products
(1 results)