2012 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時無呼吸症候群動物モデルにおける交感神経と高血圧発症のメカニズム
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24790863
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小倉 彩世子 日本大学, 医学部, 助手 (30618202)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / ストレス / 生理学 |
Research Abstract |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の罹患率は、一般人口の約4%という報告があり、広く心血管病変の独立した危険因子と認識されている。SAS患者は、SASでない人と比べて高血圧症の罹患が約2倍と合併率が高い。しかし、高血圧の発症のメカニズムについては未解明のことが多い。本研究はSAS患者の高血圧症のメカニズムを特に、低酸素血症による持続的交感神経活性化および腎臓でのNa再吸収の変化から明らかにすることを目的とする。 長期間欠的低酸素暴露中の心拍数の変化の有無をテレメトリー装置にて、継時的に測定した。また腎臓でのNa再吸収の変化について腎臓でのキナーゼ発現の変化・チャンネル・トランスポーターの活性の変化を分子生物学的手法を用いて解析した。長期間欠的低酸素暴露(睡眠時無呼吸モデルラット群)では一日のカテコラミン産生が増加しており、これは間欠的低酸素負荷後も持続していた。心拍数は間欠的低酸素時において増加がみとめられ、これは間欠的低酸素時に交感神経活動が亢進していることを示唆する所見と考えられた。また腎臓でのキナーゼの発現は長期間欠的低酸素の暴露によって低下していた。しかし再吸収にかかわるトランスポーターやチャンネルの発現については変化が認められなかった。膜への移行やリン酸化など活性化については未確認である。 これらの所見をもとに、次年度は交感神経活動による血圧上昇・日内変動についてNa排泄の変化との相関およびチャンネル・トランスポーターの機能との関連を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間欠的低酸素チャンバーは順調に作動している。心拍数の変化および分子メカニズムの解明については大まか順調である。しかし血圧テレメトリーの購入が機械メーカーの不具合により大幅に遅れている。そのため血圧テレメトリーでの測定がまだ十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
血圧テレメトリー装置を用いて交感神経活動と血圧変化のかかわりについてさらに詳細に解析を行う。また臓器障害の有無についても確認を行う。睡眠時無呼吸症候群では糖尿病・肥満とのかかわりが強いことから、糖尿病モデル(streptozotosin投与)・肥満モデルについても同様血圧および腎臓でのNa排泄の変化の解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に分子生物学的メカニズムの解明のための試薬・機器の購入に使用する。
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Research Products
(7 results)