2012 Fiscal Year Research-status Report
NOGマウスを用いた抗アクアポリン4抗体産生モデルの作製
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24790870
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 千尋 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (20624331)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / 自己抗体 / 動物モデル / 視神経脊髄炎 |
Research Abstract |
本研究の目的は自己免疫性疾患患者細胞を用いてヒト自己抗体産生動物モデルを作製することである。始めにヒト末梢血B細胞(peripheral blood mononuclear cell, 以下PBMC)またはB細胞がNOGマウス内で生存できるかどうかを確認する目的で以下の実験を行った。 健康人より採取した末梢血リンパ球を重度免疫不全マウスであるNOGマウス(NOD/SCIDγc null mouse)へ移入し、2週後にマウス脾臓においてヒトT細胞およびB細胞を検出できた。ELISAにてマウス血中のヒトIgMおよびIgGを確認できた。移入4週以降よりマウス血中でヒトT細胞が高度に増殖し、ヒトB細胞が確認されなかった。加えて外見的にも立毛や体温低下といった典型的な移植片対宿主病 (graft-versus-host disease, 以下GVHD)様の所見も確認された。原因としてNOGマウスのMHS ClassIおよびClassIIはマウス由来であるため移入したヒト細胞側から見ると異種となる。そのため免疫(拒絶)反応が惹起され、GVHD様の症状を呈したと推察した。 ②次に、GVHD様症状を避けるためにMHC ClassI&II Double Knockout NOGマウスを用いた実験を行った。本マウスへヒトPBMCまたはヒトB細胞を移入し、2ヶ月後におけるマウス生体内B細胞割合を確認した。2ヶ月後のマウス脾臓内ではヒトT細胞の異常増殖は見られなかったが、ヒトB細胞の生存も確認できなかった血中でも同様の結果であった。原因としてT細胞の活性化が抑制されたことにより、B細胞生存に必要な因子が減少したと推測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.NOGマウスへのヒトPBMCの生着およびIgG産生誘導を計画したが、GVHDの発症のため実験遂行が不可能であった。2. NOGマウスでの抗AQP4抗体産生誘導は、1.の実験が不可能であったため施行しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の研究結果より、NOGマウス生体内においてヒトB細胞が生存するには、ヒトT細胞からのヘルプが必要であり、かつT細胞が異常に活性化しない事も必要である事が示唆された。今後の実験の方針としては、ヒトIL-4,5,6,13といったヘルパーT細胞が産生する、B細胞刺激因子を自発的に産生するトランスジェニックNOGマウスを使用する可能性が考えられる。トランスジェニックマウス作製までの時間を勘案すると、代替案として上記サイトカインのリコンビナント蛋白を経時的に投与し、生体内濃度を維持する方法も可能である。本年度研究により、移入したヒトB細胞の生着には問題ない事が確認できた。よって、今後は生着した細胞を生存させる事に主眼を絞った研究を行う方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していた患者PBMCを用いたマウス移入実験とマウス血中のサイトカイン・ケモカイン動態の変化の検討を次年度に延期することによって生じたものであり、マウス購入およびBio Plexサスペンションアレイシステムを使用した実験に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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[Journal Article] Neuromyelitis optica should be classified as an astrocytopathic disease rather than a demyelinating disease2012
Author(s)
Kazuo Fujihara, Tatsuro Misu, Ichiro Nakashima, Toshiyuki Takahashi, Monika Bradl, Hans Lassmann, Rina Takano, Shuhei Nishiyama, Yoshiki Takai, Chihiro Suzuki, Douglas Sato, Hiroshi Kuroda, Masashi Nakamura, Juichi Fujimori, Koichi Narikawa, Shigeru Sato, Yasuto Itoyama and Masashi Aoki
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Journal Title
Clinical and experimental neuroimmunology
Volume: Volume 3, Issue 2
Pages: 58-73
DOI
Peer Reviewed
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