2012 Fiscal Year Research-status Report
PMCA法によるクロイツフェルト・ヤコブ病の新しいタイピング
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24790871
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 敦子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00535239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プリオン病 / PMCA / CJD |
Research Abstract |
ヒト型PrPCを一過性に発現させた浮遊系のヒト由来細胞の細胞破砕液を基質に用い、PrPScのin vitro増幅法であるCell-PMCA法によって異なるタイプのCJDプリオンを増幅させた。基質の遺伝子型が129Mあるいは129Vである場合におけるPrPScの特異的な増幅の有無または増幅効率の違いについて、多数のCJD症例を用いて網羅的に解析、比較した。用いたCJD症例には弧発性 (sCJD)、 医原性 (dCJD)、 家族性 (fCJD)、 変異型 (vCJD)が含まれ、遺伝子型も多様である。 今年度は、126症例について上記の解析を行った。その結果、予想された通りMM1タイプは基質の遺伝子型が129Mであるか129Vであるかに関わらず、PrPScを高い効率で増幅することはできなかった。しかしながら、MV2, VV2タイプの症例に関しては、129Mよりも129VでPrPScが効率良く増幅されることが分かった。さらに硬膜移植後CJDのうち、プラークタイプのPrPScの沈着を示す症例 (d-pCJD) に関して興味深い知見を得た。p-dCJDは、患者の遺伝子型が129M/Mであるにも関わらず、129Mを基質に用いた時と比較して129Vの基質を用いた場合に非常に高効率にPrPScが増幅されることが分かった。この現象は、129M/Mまたは129V/Vのヒトプリオン蛋白質を発現しているノックインマウスを用いた感染実験で得られている結果と同様であった。これらの結果をまとめると、①Cell-PMCA法によるCJDプリオンの増幅には、CJDのタイプにより明確な基質特異性が認められる、②Cell-PMCA法による増幅実験ではマウスを用いた感染実験と比較的近い結果が得られることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は予定している約200例のうち約126例の解析が完了した。この時点ではすでにCJDのタイプ、遺伝子型、また増幅基質に用いるリコンビナントPrPCの遺伝子型 (129Mまたは129V) によってPrPScの増幅効率が大きく異なることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きCJD症例のPMCAによる網羅的なCell-PMCAによるCJDプリオンの増幅特性について解析を続ける。同時に増幅効率の高いMV2, VV2,d-pCJDに関しては再試を行う。全ての症例におけるPrPScの増幅結果、必要に応じて各症例の臨床像、免疫組織染色、ウェスタンブロットのバンドのパターンなどの情報ともすり合わせ、分類を行う。129MrPrPCまたは129VrPrPCのいずれの遺伝子型の基質で増幅されるタイプであるかが最も重要な特徴となるが、その増幅効率がどの程度か、ということについても着目してそれぞれのタイプのPMCA法によるPrPScの増幅に関する特徴づけを行う。 sCJD-MV2、 sCJD-VV2、 d-pCJDついては、高感度検出が可能であることが予想される。これまでは48時間のPMCA反応によるPrPScの増幅効率を比較しているが、増幅効率が顕著に高いものに関しては、検出限界についても明らかにする。検出限界はマルチラウンドPMCA (48時間のPMCA反応の後に新たな基質を添加し、PMCA反応を連続させる方法)によって、超高感度にPrPScを増幅させることで、各CJDプリオンの検出限界を比較することができる。現時点では10のマイナス10乗希釈程度の患者脳ホモジネートからPrPScが増幅可能とすることが目標である。この検出限界が達成できれば、患者髄液からの検出が可能となることが予想される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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