2013 Fiscal Year Annual Research Report
頸動脈プラーク厚および超音波輝度の経時的変化と脳血管イベントとの関連
Project/Area Number |
24790882
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡崎 周平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60623072)
|
Keywords | 動脈硬化 / 超音波 / 炎症 / インターロイキン6 / 頸動脈内中膜複合体 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
① 頸動脈IMT/プラーク輝度の経時的変化と脳血管イベント発症との関連 ハイリスク患者596名について頸動脈IMT/プラーク輝度と心血管イベントの関連を前向きに検討した。121名で新規イベントの発症を認め、最大IMT厚が2.1mm以上でかつ低エコー輝度プラークを有する群では、心血管病の発症率が1.72倍(95%信頼区間 1.06-2.85)と高かったが、最大IMT厚2.0mm以下ではプラーク輝度による心血管病発症率の差は認めなかった。本研究から、中等度以上の頸動脈プラークを有する患者についてプラーク超音波輝度を測定することで高リスク患者の選別が可能になる可能性が示された。 ② 長期フォロー症例における頸動脈IMT/プラーク輝度経時的変化の危険因子 ハイリスク患者210例を9.0±1.0年間前向きに追跡調査し、頸動脈IMTの経時的変化と経過中炎症マーカー(高感度CRPおよびIL-6)の平均値との関連を検討した。年齢、性別および危険因子で補正した結果、IL-6はIMT進展と有意な関連を認めた(調整β=0.17, p=0.02)。慢性的なIL-6の上昇は、ハイリスク患者における動脈硬化の進展と密接に関連し、IL-6は動脈硬化進展予防の標的分子となりうる。 ③ 遺伝子多型が心血管イベントおよびIMT/プラーク輝度経時的変化に与える影響について IL-6受容体rs8192284遺伝子多型(A>C)のCアレルを有する群では、血漿IL-6濃度の増加及び血漿CRP濃度の低下を認めたが、IL-6 rs2097677遺伝子多型(G>A)によるIL-6およびCRP濃度の有意な差は認められなかった。一方心血管イベントとの関連においては、IL6受容体遺伝子多型のCアレルを有する群、IL6遺伝子多型のAアレルを有する群においていずれも心血管病が増加する傾向があったが、有意な差は認められなかった。
|