2014 Fiscal Year Annual Research Report
生物発光を利用した重症筋無力症関連自己抗体の包括的測定法の確立
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24790904
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
白石 裕一 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40423644)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アセチルコリン受容体抗体 / MuSK抗体 / 重症筋無力症 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,従来法とは異なるカイアシルシフェラーゼ免疫沈降法(GLIP法)による抗AChR抗体測定法の開発を計画した. 各AChRサブユニットに関するリポーターの作製を行った.次にAChRサブユニット特異的リポーター発現ベクターをヒト細胞株・293Fに遺伝子導入し,その発現を生化学的に確認するとともに,GL活性の確認を行った. 各AChRサブユニットに対する既製抗体を入手し,各リポーターを使用したGLIPを実施し,GLIP法が成立する確認作業に取り組んだ.しかしながら、十分に検出感度がすぐれているとは言えなかった。 これと並行し,今年度はcell based assayによる高感度抗AChR抗体、MuSK抗体測定法に着手した.方法は,①HEK293細胞にAChRα,β,δ,εサブユニットとラプシンをtransfectionし,細胞表面にAChRを高密度に発現させる.②患者血清を加え,ホルマリンで固定後,二次抗体(Goat anti-human IgG Alexa Fluor568)を加える ③蛍光顕微鏡で評価を行う.①~③についてOxford大学の協力のもと測定環境が整った。 MGに関する多施設共同研究グループであるJapan MG registry(JAMG-R)の国内11施設に通院中の539例の連続症例で、RIA法でAChR抗体、MuSK抗体いずれも陰性であったseronegative MG(SNMG)65例の血清を用いてCell based assay法によるMuSK抗体測定を行った。SNMG患者65例のうち、MuSK抗体は3例でCell based assay法で陽性であった。RIA法で陽性の15例(2.7%)と合わせMuSK抗体陽性症例は18例(3.3%)となった。3例のうち2例は女性、1例は男性で、内2例の症例で球麻痺症状を伴っていた。MGFAは2と軽症でクリーゼは全例で見られず、胸腺腫合併はなかった。CBA法により、これまでRIA法で検出出来なかったMuSK抗体を検出できることが判明した。今後、本邦のdouble seronegative MG患者の診断に有用であると考えられた。 この結果は第112回日本内科学会講演会で発表した。
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