2012 Fiscal Year Research-status Report
新規の異所性褐色脂肪モデルによる脂肪細胞分化調節機序の解明
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24790907
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
姜 美子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00624066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 熱代謝 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 脂肪分化 |
Research Abstract |
1.LR11ノックアウトマウスの病態生理学解析 ノックアウトマウス脂肪組織重量は低値であり、高脂肪食負荷8週間行うことにより、野生型マウスでは体重増加と脂肪肝、高血糖、高インスリン血症を認めるのに対し、ノックアウトマウスでは体重はほとんど増加せず、肝臓組織像では異常を認めず、血糖値、インスリン値も正常範囲内である。高脂肪食負荷後のマウスに糖負荷試験を行った。ノックアウトマウスは野生型マウスに比べ糖負荷30分、60分の血糖値とインスリン値が有意に野生型マウスより低下していた。また、インスリン投与試験を行った結果、インスリン投与15分、30分のノックアウトマウス血糖値は野生型マウスに比べ有意に低下していた。組織学解析によりノックアウトマウスの皮下脂肪組織に多房性の脂肪細胞が現れた。また、マウス皮下脂肪組織のリアルタイムPCRによる遺伝子発現解析の結果、ノックアウトマウス皮下脂肪組織での褐色特異的な遺伝子PRDM16、PGC1α、Cidea、UCP-1の発現が亢進していた。 2. 培養細胞を用いた細胞生物学的解析 ノックアウトマウスおよび野生型マウスの皮下脂肪組織と褐色脂肪組織からそれぞれの初代培養前駆脂肪細胞を樹立し、分化誘導をかけて7日後に遺伝子発現について検討した。ノックアウトマウス由来の細胞がPRDM16、PGC1α、Cidea、UCP-1発現が亢進していた。この作用はLR11分泌蛋白を添加することによりキャンセルされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病態生理学解析と細胞生物学的解析から予想された病態変化とその起因となる遺伝子変化を検出したことから、計画通り包括的遺伝子解析へと移行することができた。また、初代培養をもちいたアッセイ系の樹立にも成功し、来年度これを用いた解析が予定に沿って行われる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の計画通りに、マウスの病態生理学解析と細胞生物学的解析に着手したことから、次年度はこれらを用いた包括的な遺伝子発現解析とそれによる原因解明に着手する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.LR11ノックアウトマウスの病態生理学解析 LR11ノックアウトマウスと野生型マウスの褐色脂肪組織、皮下脂肪組織と腸間膜脂肪組織からRNA抽出し網羅的にマイクロアレイ解析を行い遺伝子発現プロファイルからそれぞれのLR11とPRDM16誘導遺伝子発現を検討する。脂肪組織のミトコンドリアを電顕により観察し、ミトコンドリアおよび細胞内小器官がLR11ノックアウトで誘導される組織学的検討と、LR11ノックアウトマウスの皮下脂肪における異所性褐色脂肪と機能相関を解析する。 2.培養細胞を用いた細胞生物学的解析 初年度に樹立したマウス皮下脂肪組織と褐色脂肪組織由来の初代培養前駆脂肪細胞を用い、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞(甲状腺ホルモン、cAMP刺激)へそれぞれの分化誘導刺激を行い野生型マウス由来の前駆脂肪細胞とLR11ノックアウトマウスの前駆脂肪細胞の分化誘導、形態的な差異、PRDM16、PGC1α、Cidea、UCP1、Resistin、 Angiotensinogen等の遺伝子発現について検討する。Chip assay、プロモーターアッセイによりLR11による褐色脂肪の分化転写因子PRDM16の活性化機序を検討する。
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