2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂肪蓄積関連遺伝子SLC22A18の生理的機能の解明
Project/Area Number |
24790909
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00572033)
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Keywords | メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
SHRの2系統(SHR/IzmとSHR/NCrj) 間にみられる内臓脂肪量の差異に連鎖する遺伝子としてSLC22A18遺伝子を同定した。SLC22A18は物質輸送に関わるトランスポーターの一種と考えられているがその機能や脂肪蓄積との関連は不明である。 初年度の検討の結果、SLC22A18は脂肪組織量や体重、肝脂質含量を制御することが明らかとなった。今年度はSLC22A18の基質同定に関する検討を中心に行った。 SLC22A18の内因性基質を同定するため、SLC22A18KOマウスサンプルを使用したメタボローム解析や文献より基質候補物質をピックアップし、その取り込み実験を行った。その結果、クロロキン、グルコース、オレイン酸、タウロコール酸いずれもin vitroにおいてSLC22A18強発現細胞への有意な取り込みが認められなかった。一方、ビリルビンは強力な抗酸化物質であり、動物実験において抗肥満作用の報告、ヒトのSLC22A18遺伝子領域のSNPと血中ビリルビン濃度との関連の報告があることから、この物質に注目した。SLC22A18KOマウスを調べたところ、ビリルビンの血中濃度が野生型マウスに比べて有意に高く、血中からのビリルビンのクリアランス低下も認められたことから、この物質が基質の候補のひとつと考えられた。 以上のことから、SLC22A18の内因性基質の有力な候補物質を見出した。脂肪組織や肝臓において深く病態と関連しているSLC22A18遺伝子の機能についてメカニズムを解明する手掛かりを得ることができた。
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Research Products
(1 results)