2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞体ストレス調節因子Sdf2l1の肝臓でのインスリン感受性調節作用の検討
Project/Area Number |
24790913
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹子 敬洋 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20550429)
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / シャペロン |
Research Abstract |
Sdf2l1-floxedマウスを、Alb-cre(アルブミンプロモーター下にcreリコンビナーゼを発現)マウスとかけ合わせて作製したLSdf2l1KO(肝臓特異的Sdf2l1欠損)マウスについて、50週齢に至るまで観察を継続したが、耐糖能やインスリン抵抗性に明らかな表現型を認めなかった。 そこで次にSdf2l1-floxedマウスにAd-cre(CMVプロモーター下にcreリコンビナーゼを発現するアデノウイルス)を投与することで、成獣になってから肝臓特異的にSdf2l1を欠損させたマウスを作製した。このマウスではノックダウンの時と同様に、耐糖能異常、インスリン抵抗性を認め、また摂食時に小胞体ストレスが亢進していた。このマウスに高脂肪食負荷を行なったが、その表現型も同様であった。すなわちSdf2l1の果たす糖脂質代謝における役割を、以前とは異なる系でも確認することができた。 一方でSdf2l1の機能解析についてはBiPとの相互作用に着目し、両者の抗体を用いたProximity Ligation Assayを新たに行なった。実際にラット肝細胞由来のFao細胞において、相互作用を示すシグナルが観察された。更にこのシグナルは、ツニカマイシン刺激下で増加したことから、両者が小胞体ストレス応答において、シャペロン複合体として機能を果たしていることが、より強く示唆された。
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