• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

新規非アルコール性脂肪性肝炎モデルを用いた脂肪組織・肝臓連関の解析

Research Project

Project/Area Number 24790916
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

伊藤 美智子  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教員 (00581860)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords肥満 / 脂肪組織 / マクロファージ / Crown-like structure
Research Abstract

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肥満と関連が強い疾患であり、その病態形成において脂肪組織は多面的な影響を有すると考えられる。申請者らは既に、メラノコルチン4型受容体欠損マウス(MC4R-KOマウス)に対する高脂肪食負荷によって、肥満に基づく脂肪肝から肝線維化・肝癌に至る、全く新しいNASHモデルを確立している。本研究では新規NASHモデルを用いて、NASHの病態形成における脂肪組織炎症の意義と、肝線維化におけるマクロファージの病態生理的意義を検討した。
NASHの肝臓と脂肪組織の経時的解析により、MC4R-KOマウスの脂肪組織では高脂肪食負荷2週目よりマクロファージ浸潤が増加し、8週目には間質の線維化が認められた。肝臓では負荷8週目で炎症・線維化マーカーの発現が増加し、20週目には肝線維化が著しく誘導された。以上より、MC4R-KOマウスでは肝病変に先立って脂肪組織における炎症・線維化が認められることが明らかとなった。
肥満の脂肪組織では細胞死に陥った脂肪細胞をマクロファージが取り囲むCrown-like structure(CLS)が認められることが知られているが、NASHを発症したMC4R-KOマウスの肝臓ではCLSに類似した組織像が多数認められた(hepatic CLS: hCLS)。興味深いことに、hCLS数は線維化面積と正の相関を示すこと、hCLS近傍にはaSMA陽性の筋線維芽細胞が認められ、コラーゲンが蓄積することが明らかになった。以上より、NASHの発症・進展において肝臓におけるマクロファージの分布に変化があり、これらがNASHにおける炎症慢性化や線維化発症に関与する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請者らが独自に確立したNASHモデルの特徴を詳細に検討することで、肝線維化発症に先立って脂肪組織の炎症・線維化が認められることを明らかにした。現在、脂肪組織炎症を抑制することで、肝臓における異所性脂肪蓄積や炎症・線維化変化に対する影響を検討している。
また、肝臓におけるマクロファージを中心とした組織学的解析から、NASHに特徴的なhCLSを見出し、肝線維化程度と正に相関することを明らかにした。hCLSを構成するマクロファージはその他の散在性マクロファージとは機能的に異なる可能性があり、hCLSの病態生理的意義を明らかにすることで、肝線維化発症の分子機構に対する理解が深まることが期待される。

Strategy for Future Research Activity

MC4R-KOマウスでは肝病変の形成に先立って、脂肪組織における炎症・線維化変化の増強と脂肪蓄積力の低下が認められることから、脂肪組織炎症・線維化を抑制することで、NASHの発症が予防可能かどうか検討する。また、肥満度や脂肪組織重量では評価できない、脂肪組織予備能を反映するマーカーを探索する。
肝線維化におけるマクロファージの病態生理的意義を検討する中で、hCLSが炎症・線維化の起点となってNASH発症に関与する可能性を見出している。今後さらに、hCLSが出現する時期、マクロファージの動態や性質を明らかにし、肝細胞・線維化関連細胞との相互作用から肝線維化を発症する分子機構を検討する。また、NASH患者の肝組織サンプルを用いて、ヒトNASHにおいてもhCLSが認められるかどうか検討し、NASH診断マーカーあるいは重症度マーカーとしての可能性を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験動物関連(動物の維持・高脂肪食等の特殊飼料)800,000円
分子生物学・生化学関連試薬(抗体、PCRキット等)400,000円
形態学的解析関連(病理標本切片、染色関連)400,000円

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 分子内分泌代謝学分野

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/grad/cme/index.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi