2012 Fiscal Year Research-status Report
肥満・インスリン抵抗性における肝糖代謝異常に果たす肝細胞増殖制御機構の役割
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24790919
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 久美 金沢大学, 脳・肝インターフェースメディシン研究センター, 特任助教 (60409472)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肝糖代謝 / インスリン抵抗性 / 肝細胞増殖 |
Research Abstract |
肥満・インスリン抵抗性状態では、肝糖産生が増加することが知られている。一方、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に代表される脂肪肝を合併し、肝肥大を伴うことも多い。肝糖産生を調節する肝臓PI3-K経路やJAK/STAT3経路は、肝細胞増殖の制御にも重要な役割を果たすことが明らかにされている。一方で、肥満・インスリン抵抗性状態における肝糖代謝異常に、肝細胞の増殖という生理現象が果たす役割は十分に明らかにされていない。本研究では、肝細胞増殖の主要調節因子であるCyclin D1を中心とした肝細胞増殖制御メカニズムの肝糖代謝における役割の解明を目的とする。 代表者は、新規に樹立したCyclin D1 floxマウスを用いて、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスを作成した。24年度は、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスを用いて、1)生理的糖代謝、2)肥満・インスリン抵抗性に果たす肝細胞増殖の役割を、個体レベルで検討した。 1)生理的糖代謝におけるCyclin D1の役割;肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスでは、野生型マウスと比較し、4週齢、8週齢、12週齢、16週齢、20週齢のいずれにおいても、体重および随時血糖値に差は見られなかった。 2)肥満・インスリン抵抗性におけるCyclinD1の役割;レプチン受容体欠損(db/db)肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスでは、db/dbマウスと比較し、4週齢、8週齢、12週齢、16週齢、20週齢のいずれにおいても、体重および随時血糖値に差は認められなかった。また、肝臓特異的Cyclin D1欠損高脂肪食摂取マウスでは、対照と比して、12週齢までに、体重および随時血糖値に違いは見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、Cyclin D1を中心とした肝細胞増殖制御メカニズムの肝糖代謝における役割の解明である。 平成24年度の研究計画は、生理的、および、肥満・インスリン抵抗性におけるCyclinD1の役割を個体レベルで解析することであった。マウスの作出、正常マウスおよび肥満マウスにおける、糖代謝の解析は順調に進んでおり、おおむね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、引き続き、個体レベルでの糖代謝解析を進展させることと、肝臓特異的Cyclin D1欠損マウス、肥満誘導下肝臓特異的Cyclin D1欠損マウスからマウス初代培養幹細胞を単離し、細胞レベルでの解析を行う。 具体的には、肝糖代謝に関与するインスリンシグナル経路・AMPKシグナル経路・STAT3経路について、Cyclin D1過剰発現・ノックダウン、または肝臓特異的Cyclin D1欠損マウス由来の初代培養肝細胞において、細胞内シグナル経路活性および糖代謝系遺伝子転写調節の変化について、検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題は、Cyclin D1を中心とした肝細胞増殖制御メカニズムの肝糖代謝における役割の解明である。 血中代謝関連プロファイルを測定するためのアッセイ試薬、細胞培養関連試薬、過剰発現・特異的欠損を導入するための分子生物学試薬、さらに、タンパク質抽出や核酸精製、ウエスタンブロット試薬、遺伝子発現解析に用いる定量的PCR試薬、また、解析に用いるマウスの飼育経費に加え、系統維持に使用する野生型マウスの購入に、一般消耗品経費として使用する。
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