2013 Fiscal Year Annual Research Report
PSGL-1を標的としたメタボリックシンドロームの新規治療薬の開発
Project/Area Number |
24790927
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
堀口 千景 (佐藤 千景) 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (40535192)
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Keywords | メタボリックシンドローム / PSGL-1 / 接着分子 / 肥満 / インスリン抵抗性 / 内臓脂肪 |
Research Abstract |
まず2 型糖尿病モデルマウスに対する抗PSGL-1抗体の投与実験を行った。抗体投与群では空腹時血糖値は有意に低下し、腹腔内ブドウ糖負荷試験や腹腔内インスリン負荷試験の結果でも有意にインスリン抵抗性の改善を認めた。また精巣周囲脂肪組織の検討では、抗体投与群において炎症関連遺伝子やPSGL-1などの接着分子のmRNA発現の有意な低下を認め、さらに脂肪細胞のサイズも有意に小さいことが分かった。以上より、抗PSGL-1抗体投与により内臓脂肪細胞の肥大化が抑制され、内臓脂肪組織局所での炎症が改善した結果、インスリン抵抗性が改善したと考えられた。 次に2 型糖尿病モデルマウスに対するムチン型硫酸化多糖の投与実験については、フコイダンを用いてマウスに皮下注射投与し実験を繰り返し行ったが、一定の結果が得られなかった。フコイダンの皮下投与では吸収にばらつきがあるものと考えられた。 したがって当初の予定を変更し、先にフコイダンを神戸天然物化学(株)に委託し分子量により大中小分子に分離精製を行った。In vitro において、血管内皮細胞と単球細胞に分離精製した各分子量のフコイダンを投与し細胞接着阻害効果について検討を行っており、今後は最も細胞接着阻害効果の高い分子量のムチン型硫酸化多糖化合物を2 型糖尿病モデルマウスに経口投与し、インスリン抵抗性や脂肪・肝臓の組織学的変化など検討を行っていく予定である。 近年、インスリン抵抗性が内臓脂肪での炎症に起因していることが明らかとなり、我われは炎症の起点がマクロファージの浸潤であると考え接着分子の阻害に着目した。我われの高脂肪食負荷PSGL-1 ノックアウトマウスでは血糖、脂質の改善効果を認めており、ムチン型硫酸化多糖化合物はPSGL-1と結合作用のあるセレクチンの阻害活性を有しているため、安全性およびコスト面でも創薬として実現の可能性が高いと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Metallothionein deficiency exacerbates diabetic nephropathy in streptozotocin-induced diabetic mice.2014
Author(s)
Tachibana H, Ogawa D, Sogawa N, Asanuma M, Miyazaki I, Terami N, Hatanaka T, Horiguchi CS, Nakatsuka A, Eguchi J, Wada J, Yamada H, Takei K, Makino H.
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Journal Title
Am J Physiol Renal Physiol.
Volume: 1;306(1)
Pages: 105-115
DOI
Peer Reviewed
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