2014 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病感受性遺伝子SLC30A8の糖尿病発症機序の解明
Project/Area Number |
24790933
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田蒔 基行 徳島大学, 糖尿病臨床・研究開発センター, 特任助教 (60624400)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / 亜鉛 / インスリン / 膵β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病疾患感受性遺伝子SLC30A8について検討を行ってきた。今回の科研費事業に関連した、これまでの成果について報告する。 われわれはまずSLC30A8の生理的発現部位や、糖尿病マウスにおいてはSLC30A8の発現が高度に低下することを見出し、これを報告した(Tamaki M. et al. Islets. 1(2); 124-128, 2009)。次にSLC30A8の発現が低下したために糖尿病を発症したのか、それとも糖尿病発症によってSLC30A8の発現が低下したのかを明確にするために、膵β細胞特異的SLC30A8ノックアウトマウスを作製した。その結果、非常に驚いたことに膵β細胞におけるSLC30A8の消失は膵β細胞機能のみならず、肝臓におけるインスリンクリアランスに障害を与えることを見出した。次にSLC30A8の異常がマウスのみならずヒトにおいても同様にインスリンクリアランス障害を与えるのかを検討するため、ヒトボランティアの協力を得て、SLC30A8リスクアリル保持者におけるインスリンクリアランスを評価し、ヒトにおいてもSLC30A8の異常はインスリンクリアランス異常をきたすことを確認し、これらの知見をJournal of Clinical Investigation誌に報告を行った(Tamaki M. et al. J Clin Invest. 123(10); 4513-4524, 2013)。 肥満により脂肪細胞におけるSLC30A8発現が関与する可能性があるという他グループの知見から高脂肪食などの生活習慣の悪化がSLC30A8異常を助長するかについて、現在検討を重ねている。
|
Research Products
(5 results)