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2012 Fiscal Year Research-status Report

脂肪細胞分化における亜鉛トランスポーターの役割解明

Research Project

Project/Area Number 24790936
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

福中 彩子  順天堂大学, 医学部, 研究員 (60586402)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords亜鉛トランスポーター / 褐色脂肪 / 褐色化 / インスリン感受性 / 肥満
Research Abstract

古くから糖尿病の発症や進行に亜鉛代謝異常が関与することが観察されてきたが、それにもかかわらず、その分子機序は全くわかっていない。そこで、『糖尿病などの生活習慣病における亜鉛の役割を分子レベルで解明する』ことを目指し、2型糖尿病の発症と関係することが報告されている亜鉛トランスポーター(Zip13)に注目し解析を行った。
Zip13ノックアウトマウス(以下Zip13-KOマウスと略す)では、白色脂肪組織の量が減少し、褐色脂肪組織が増加していた。さらに、Zip13-KOマウスでは白色脂肪組織、褐色脂肪組織共に、褐色脂肪のマーカー遺伝子(Ucp1,Cidea,Pgc-1αなど)の発現が上昇することを見いだした。次にこの現象が脂肪組織に由来するものか調べるために、in vitroでMEF細胞の白色化と褐色化の誘導を行った。その結果、褐色化の誘導を行った際に、Zip13-KOマウス由来のMEF細胞では褐色化が亢進することが判明した。これに対し、白色化の誘導を行った際には変化が見られなかった。
エネルギーを貯蔵する白色脂肪からエネルギーを消費する褐色脂肪へと変換することができれば肥満の治療に繋がる可能性を有しており、白色脂肪細胞を褐色化するメカニズムの解明は近年注目されている。Zip13-KOマウスでは褐色化が上昇することから、Zip13の肥満における生理機能を明らかにするために、高脂肪食負荷したZip13-KOマウスで糖負荷試験やインスリン抵抗性の測定を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初、Zip13は白色脂肪細胞の分化過程に関与していると考え実験を進めていたが、予想に反してZip13は褐色化を抑制していることを示唆する興味深い結果を得ており、現在褐色化を検出する様々な系をセットアップしている。
一方、同じゴルジ体に存在し細胞質内に亜鉛を輸送することが知られている亜鉛トランスポーターZip9が、B細胞株(DT40細胞)においてBCRシグナル経路を活性化し、Aktのリン酸化を制御することを新たに見いだした(Taniguchi M, et al., PLos One (2013))。そこで、白色脂肪細胞株(3T3-L1)においてZip9がインスリンシグナル経路を活性化し、Aktのリン酸化を制御するか観察したが、影響は見られなかった。これらの結果は、Zip9はB細胞特異的なシグナル経路を活性化している可能性を示唆しており、亜鉛トランスポーター由来の亜鉛が活性化するシグナル経路に特異性があると考えられる。この点は今後の研究方針において留意するべきである。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は、①Zip13がどのように褐色化を抑制しているのか、その分子機序を明らかにすると共に②Zip13の肥満における生理機能を解明する。
①Zip13の褐色化抑制の分子機序
(A)褐色化に必要な遺伝子(Ucp1やPgc1α)のレポーターアッセイ系を確立し、Zip13過剰発現によりレポーター活性が抑制されるか観察し、Zip13が制御する因子やシグナル経路を同定する。
(B)Zip13の標的因子の同定とその作用機序を解明するために、(A)で明らかになった分子群に着目して実験を進める。具体的には、WTマウスとZip13-KOマウス由来の前駆脂肪細胞を用いて分化誘導を行い、活性、発現量、細胞内局在などに影響が見られるかを観察する。また変化が見られた因子をZip13がどのように制御しているのか調べる。
②Zip13の生理機能
Zip13の肥満における役割を解明するために、通常食や高脂肪食を負荷したZip13-KOマウスを用いて糖負荷試験やインスリン抵抗性の測定を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] Essential role of the zinc transporter Zip9/SLC39A9 in regulating the activation of Akt and Erk in B-cell receptor signaling pathway in DT40 cells2013

    • Author(s)
      Taniguchi M, Fukunaka A, Hagihara M, Watanabe K, Kamino S, Kambe T, Enomoto S, Hiromura M
    • Journal Title

      PLos One

      Volume: 8 Pages: e58022

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0058022

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 亜鉛トランスポーター複合体による亜鉛要求性酵素の活性化機構の解明2012

    • Author(s)
      福中彩子
    • Organizer
      トランスポーター研究会2012
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20120600
    • Invited
  • [Book] 内分泌・糖尿病・代謝内科2013

    • Author(s)
      福中彩子、藤谷与士夫、綿田裕孝
    • Total Pages
      6
    • Publisher
      科学評論社
  • [Book] 内分泌・糖尿病・代謝内科2012

    • Author(s)
      福中彩子、藤谷与士夫、綿田裕孝
    • Total Pages
      4
    • Publisher
      科学評論社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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