2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化における亜鉛トランスポーターの役割解明
Project/Area Number |
24790936
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福中 彩子 順天堂大学, 医学部, 研究員 (60586402)
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Keywords | 亜鉛トランスポーター / 脂肪細胞 / 褐色化 |
Research Abstract |
Zip13-KOマウスの脂肪組織を詳細に観察したところ、白色脂肪組織において褐色脂肪細胞のマーカー遺伝子の発現が上昇することを見いだした。そこで、脂肪組織の褐色化が脂肪細胞自律的に起きる現象であるかを調べるために、ex vivo培養を実施した。マウスの鼠蹊部(白色脂肪と褐色脂肪どちらにもなることができる細胞が存在する)周りから前駆脂肪細胞を抽出し、分化誘導を行い、遺伝子発現に変化がみられるか観察した。その結果、前駆脂肪細胞に褐色化の誘導を行うと脂肪細胞分化マーカーであるaP2の発現はコントロールとZip13-KO細胞で同程度であったが、褐色脂肪細胞のマーカー遺伝子の発現がZip13-KO細胞で有為に上昇することがわかった。つまり、Zip13-KOマウスでは脂肪細胞自律的に褐色化が亢進していることが示唆された。現在ZIP13が関わる脂肪細胞褐色化制御の分子機序を解析中である。 ZIP13は褐色化を制御することから、次にZip13-KOマウスで褐色化が亢進することにより生体に及ぼす影響ついて調べた。コントロールマウスでは高脂肪食下で飼育した場合、通常食で飼育したものと比較して体重が増加し肥満を呈する一方で、Zip13-KOマウスでは高脂肪食を負荷しても体重の増加は見られず肥満にならないことが判明した。さらにZip13-KOマウスではコントロールマウスに比べてインスリン感受性がよくなることや、エネルギー代謝の亢進が見られた。 これらの結果よりZip13-KOマウスでは脂肪細胞褐色化が亢進することによりエネルギー消費量が増加し、肥満を呈しにくくなることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The diabetes susceptible gene SLC30A8/ZnT8 regulates hepatic insulin clearance.2013
Author(s)
Tamaki M, Fujitani Y, Hara A, Uchida T, Tamura Y, Takeno K, Kawaguchi M, Watanabe T, Ogihara T, Fukunaka A, Shimizu T, Mita T, Kanazawa A, MO. Imaizumi, Abe T, Kiyonari H, Hojyo S, Fukada T, Kawauchi T, Nagamatsu S, Hiraono T, Kawamori R, Watada H.
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Journal Title
J Clin Invest.
Volume: 123
Pages: 4513-4524
DOI
Peer Reviewed
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