2013 Fiscal Year Research-status Report
糖質コルチコイド過剰により惹起される過食・肥満形成メカニズムの解明
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24790947
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中山 修一 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20457394)
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Keywords | 糖質コルチコイド / 肥満 / AgRP |
Research Abstract |
本研究では、糖質コルチコイド過剰に伴う肥満・過食形成の分子機序を解明するために、レプチン・CRHダブルノックアウトマウス(DKOマウス)を用いて解析中である。 ①野生型マウス、②ob/obマウス、③レプチン・CRH-DKOマウス、④レプチンCRH-DKOマウス+糖質コルチコイド補充の④群間で摂食量、体重、脂肪重量、血糖、血中ホルモン(インスリン、コルチコステロン、レプチン)を測定した。摂食量、体重、脂肪重量については、②ob/obマウス=④DKOマウス+CORT>③DKOマウス>野生型マウスの結果であった。血中コルチコステロンは、②ob/obマウス>④DKOマウス+CORT>>①野生型マウス>③DKOマウスの結果であり、ob/obマウスにおける摂食、肥満の一部は糖質コルチコイド過剰により惹起されているものと考えられた。さらに上記4群で視床下部摂食関連ペプチド(NPY、POMC、AgRP)遺伝子発現量につき、リアルタイムPCR、in situ hybridization法により検討した。その結果、視床下部AgRP mRNA発現量のダイナミックな変化が認められ、②ob/obマウス>DKOマウス+CORT>③DKOマウス=①野生型マウスの結果が得られた。 これらの結果より、ob/obマウスにおける過食、肥満の形成には、糖質コルチコイド過剰および視床下部AgRP(摂食亢進ペプチド)の発現誘導が関与することが明らかになり、現在論文作成中である。 さらに、今後 上記同様の系を用いて、視床下部発現遺伝子をDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要に記載したとおり、当初の計画に沿って実験を進めており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績概要に記載したとおり、ob/obマウスにおける過食・肥満の形成には、糖質コルチコイド過剰および視床下部AgRP(摂食亢進ペプチド)の発現誘導が関与することが明らかとなった。今後同様の系(ob/obマウス、DKOマウス)を用いて、視床下部発現遺伝子をDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析する予定である。これにより新たなグルココルチコイド標的遺伝子が見つかれば、神経細胞を用いて糖質コルチコイド標的遺伝子の確認も実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高額な費用を要するDNAマイクロアレイを実施しておらず、来年度に延期したために次年度使用額が生じた。 今後マウスの系(ob/obマウス、DKOマウス)を用いて、視床下部発現遺伝子をDNAマイクロアレイにより網羅的に解析する予定である。さらに神経細胞を用いて糖質コルチコイド標的遺伝子の確認も実施する。
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Research Products
(1 results)