2012 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞性リンパ腫の分子病態の解明および新規薬剤の探索
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24790987
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
加留部 謙之輔 愛知県がんセンター(研究所), 遺伝子医療研究部, 主任研究員 (20508577)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / NK細胞リンパ腫 / 発現解析 / ゲノム解析 / FOX03 / PRDM1 |
Research Abstract |
NK細胞性腫瘍において、6q21は最も高頻度にゲノム欠失の異常を示す領域である。この領域に存在する遺伝子の中で、FOX03およびPRDM1のみが遺伝子導入による細胞増殖抑制効果を示す。しかしこの効果がNK細胞性腫瘍に特異的なものであるか不明であった。そこでNK細胞性腫瘍以外の様々なlineageの細胞株に両遺伝子を導入し、細胞増殖に与える影響について解析した。 方法として、tet-CEFシステムを併用した遺伝子導入を行った。用いた細胞株はNKL、SNK10、NKYS、K562、Jurkat、Reh、Jeko1、293T、MCF7、Helaである。 遺伝子導入後、全ての細胞株において発現が確認できた。FOX03はNK細胞殊(NKL、SNK10、NKYS)にのみ細胞増殖抑制効果があり、その他の細胞株には効果はなかった。一方、PRDM1は293Tを除く全ての細胞株において増殖抑制効果があった。導入されたFOX03の局在を検討したところ、NK細胞株においては核に局在し、非NK細胞株では細胞質に局在したこの局在の違いがFOX03の"functional lineage specificity"の原因と考えられた。 今回の研究の結果、PRDM1の遺伝子導入が様々な細胞に影響を与えるのに対し、FOX03はNK細胞性腫瘍に特異的であることがわかった。FOX03はNK細胞性腫瘍特異的な遺伝子治療のターゲットになりうる。
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