2012 Fiscal Year Research-status Report
シトルリン化修飾による小胞体ストレスを介したリウマチ滑膜細胞増殖機構の解析
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24791006
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
荒谷 聡子 東京医科大学, 医学部, 助教 (40387064)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / シノビオリン / 転写後修飾 |
Research Abstract |
関節リウマチは多様な病態からなる慢性炎症性の疾患である。一方、タンパク質の翻訳後修飾は生理学的恒常性の維持およびその恒常性が崩れることで様々な疾患の病因・病態制御に関与している。また、リウマチの病態に重要であると考えられる修飾ユビキチン化とシトルリン化がクロストークすること、シトルリン化がユビキチン化を抑制することを明らかにしてきた。本研究ではユビキチン化とシトルリン化のクロストークの意義を明らかし、特に、シトルリン化によるユビキチン化の抑制が滑膜細胞の増殖やサイトカインの過分泌といった病態に関与するかどうか明らかにすることを目的として解析を行った。 シノビオリンによるユビキチン化を特異的に抑制するツールとしてシノビオリン阻害剤を単離しその効果を検証した。 シノビオリンの自己ユビキチン化活性を指標に200 万個の低分子化合物ライブラリーからそれぞれ IC50=20, 30 μM の阻害活性を有する LS-101, 102 を得た。これらの阻害剤が他の E3 ユビキチン化酵素に対して特異的にシノビオリンに作用することを確認した。またリウマチ患者由来の滑膜細胞の増殖及び関節リウマチモデルであるコラーゲン誘導型関節炎マウスにおいて病態の重症化を抑制することを報告した。また個体内で転写後修飾関与を検討するため時期特異的シノビオリン欠損マウスを作製した。成体へのタモキシフェン投与によりシノビオリン遺伝子の組み換え、欠損が起きることを RNA 、タンパク質レベルで確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のようにシノビオリンによるユビキチン化を抑制できる実験系を構築した。これらを用いて次年度解析を進める
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Strategy for Future Research Activity |
作製したシノビオリン阻害剤および時期特異的シノビオリンノックアウトマウスを用いてシノビオリンの機能を抑制した滑膜細胞を樹立する。細胞を用いてシトルリン化タンパク質の変化および PADI 4 の発現量を変化させたときの分泌タンパク質の発現の変化および標的である p53 シグナルの変化を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として細胞培養関連試薬、プラスチック製品、抗体などタンパク質実験関連試薬、実験動物維持費として使用する。また旅費として学会参加費、その他論文投稿費用、通信費として使用する。
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Research Products
(3 results)