2015 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連疾患患者末梢血単核球におけるトランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
24791011
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中島 章夫 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80612241)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | IgG4関連疾患 / トランスクリプトーム解析 / 自然免疫 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患は近年報告された新たな疾患単位であり、血清IgG4高値とIgG4陽性形質細胞の腫瘤形成あるいは組織浸潤を特徴とするが、その原因は不明である。またその病態についてもまだ十分にわかっていない。当研究はIgG4関連疾患患者の末梢血単核球におけるmRNA量を網羅的に解析することにより、IgG4関連疾患の疾患特異的マーカーとなる遺伝子や病因、病態に関連する遺伝子群の検索を行ない、それらを明らかにすることを目的としている。 IgG4関連疾患患者の末梢血単核球におけるトランスクリプトーム解析は今まで報告がなく、申請者は世界に先駆け2015年に初めて論文を発表し、その病因、病態において自然免疫能の低下や制御性T細胞機能の低下などが関連している可能性を報告した(PLoS One, 14;10(5):e0126582, 2015)。IgG4関連疾患と自然免疫についてはWatanabeらがtoll-like receptor活性などの障害が関連している可能性を報告しており、その報告を支持する結果であった。またIgG4関連疾患はこれまでの報告で、しばしばアレルギー性疾患や高IgE血症を伴うこと、末梢血・局所病変においてCD4+CD25+制御性T細胞が増加していること、多彩な自己抗体が出現することなどが報告されているが、これらがどのような機序で起こりどのように病態に関与しているかについては十分にわかっていない。IgG4関連疾患において制御性T細胞機能低下を示唆した報告は今までされていないが、当研究によって制御性T細胞機能低下の関与が示唆されたことにより、IgG4関連疾患患者におけるアレルギー性疾患や高IgE血症の合併、末梢血・局所病変のCD4+CD25+制御性T細胞増加、多彩な自己抗体出現を一元的に説明することができ、病因、病態の解明につながる可能性があると考えられる。
|
-
[Journal Article] Decreased expression of innate immunity-related genes in peripheral blood mononuclear cells from patients with IgG4-related disease2015
Author(s)
Akio Nakajima, Yasufumi Masaki, Takuji Nakamura, Takafumi Kawanami, Yasuhito Ishigaki, Tsutomu Takegami, Mitsuhiro Kawano, Kazunori Yamada, Norifumi Tsukamoto, Shoko Matsui, Takako Saeki, Kazuichi Okazaki, Terumi Kamisawa, Taiichiro Miyashita, Yoshihiro Yakushijin, Keita Fujikawa, Hisanori Umehara et al.
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 14:10(5)
Pages: e0126582
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant