2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791013
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
関口 昌弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50528958)
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Keywords | 人工抗体 |
Research Abstract |
人工抗体his6-(ZRaf322)2は、Ras/Raf蛋白に結合し、Ras/Raf相互間シグナル伝達を阻害し、MAP-Kinaseカスケードを制御できる可能性がある。そこで人工抗体his6-(ZRaf322)2が滑膜細胞の増殖・分化に及ぼす効果を、滑膜細胞培養系にhis6-(ZRaf322)2プラスミドを添加し、細胞内に人工抗体を発現させ、細胞増殖能や炎症性サイトカイン・炎症性ケミカルメディエーターの産生への効果を検討した。滑膜細胞培養系はヒト滑膜細胞株、MH7Aを用い、増殖能はMTTアッセイにて、炎症性サイトカイン・炎症性ケミカルメディエーターは、TNF-α刺激MH7A細胞の培養上清中のIL-6、PGE2、MMP-3をELISA法にて測定した。その結果、人工抗体his6-(ZRaf322)2は、MH7Aの増殖やTNF-α刺激による、IL-6、PGE2、MMP-3産生を抑制できることが明らかになった。更にウエスタンブロット解析により、ERK1/2のリン酸化が抑制されることが明らかになり、MAP-kinaseカスケードが抑制されることが確認できた。次にC2C12細胞株の骨芽細胞への分化に対する人工抗体の効果を解析した結果、BMP-2刺激C2C12のオステオカルシン産生が抑制され、骨芽細胞分化においても作用することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチの主要病態である滑膜増殖およびサイトカイン産生を人工抗体により抑制可能である可能性をin-vitroで示すことができた。また、ERK1/2のリン酸化も抑制することも明らかになり、MAP-kinaseカスケードを阻害することが証明できた。更にC2C12の骨芽細胞分化にも同様の抑制効果があることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
人工抗体his6-(ZRaf322)2がMH7A細胞のRas/Raf相互間シグナル伝達を阻害し、ERK1/2のリン酸化抑制、MAP-Kinaseカスケードを制御していることが確認できた。またC2C12の骨芽細胞分化の抑制効果も同様に有することが明らかとなった。これまでの実験を繰り返し、その再現性を確認する。さらにRasが強発現した腫瘍細胞株への投与を試み、抗腫瘍効果の有無を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
既存の実験機材にて実験が遂行でき、物品費が抑制することができた。 今後の実験に関わる消耗機材、解析試薬等の物品購入に充てる。また研究成果発表のための学会参加旅費に充てる。
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