2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791013
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
関口 昌弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50528958)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
リウマチ疾患に関与する滑膜細胞の炎症反応をはじめとする生化学的解析のin vitroモデル系として、培養細胞株MH7Aを用い、様々な薬物や生理活性を有する分子の作用解析が進められてきた。今回は、人工抗体として機能するタンパク質リガンド分子であるAffibodyを用いた細胞内におけるシグナル伝達系タンパク質分子の制御も検討した。Affibodyは黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureusの細胞壁タンパク質であるProtein Aを構成するドメインの一部に由来する分子量6kDaの分子である。ファージディスプレイ法を用いてAffibodyのコンビナトリアル変異ライブラリーから、特定の分子に親和性を有し人工抗体として機能する分子が取得できる。H-Ras (Zras122, Zras220, and Zras521) あるいは Raf-1 (Zraf322) 分子に対する人工抗体を作成してその効果を検討した。その結果、1)これらの人工抗体がプラスミッドとしてあるいは、タンパクとして細胞内に導入させることが可能であった。2)細胞内に人工抗体を導入すると、細胞増殖能、IL-6、MMP-3、プロスタグランジン産生能が抑制できた。3)更に、ウエスタンブロット解析により、ERK1/2のリン酸化が抑制されることが明らかになり、MAP-kinaseカスケードが抑制されることが確認できた。次にC2C12細胞株の骨芽細胞への分化に対する人工抗体の効果を解析した結果、BMP-2刺激C2C12のオステオカルシン産生が抑制され、骨芽細胞分化においても作用することも明らかになった。
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