2013 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチの骨破壊に対するS1P/S1P1シグナルの役割
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24791014
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
北野 将康 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00412031)
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Keywords | 関節リウマチ / スフィンゴシン1リン酸 |
Research Abstract |
これまでに研究者らは関節リウマチでの滑膜増殖と局所でのCOX-2発現にスフィンゴシン1リン酸(S1P)/S1P受容体1シグナルが重要な役割を担っていることを明らかにしている。 本研究では関節リウマチでの骨破壊機序の解析として、骨芽細胞株(C2C12)とヒト末梢血CD4陽性T細胞に対するスフィンゴシン1リン酸(S1P)の効果について解析を行った。この結果、S1Pは濃度依存性にC2C12細胞でのALP活性を上昇させ、さらにosteocalcinの産生を促進した。またヒト末梢血CD4陽性T細胞に対してはreceptor activator of NF-KB ligand(RANKL)の発現を亢進させることを明らかにした。すなわちS1Pは骨芽細胞機能の促進とCD4陽性T細胞でのRANKL発現亢進による破骨細胞の分化誘導を促進させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
破骨細胞の分化誘導と活性化に対するS1P/S1P1シグナルの効果の解析として、RANKL刺激で破骨細胞への分化能を有する細胞株であるRAW264.7を使用したが培養系と破骨細胞機能の評価の確立に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)破骨細胞の分化誘導と活性化に対するS1P/S1P1シグナルの効果:RANKL刺激で破骨細胞への分化能を有する細胞株であるRAW264.7細胞を用い以下の検討を行う。(A)RAW264.7細胞でのS1P1とRANK 発現を解析する。(B)RAW264.7細胞でのRANK発現に対するS1Pの効果を明らかにする(C)RAW264.7細胞をRANKL単独、S1P単独、もしくはRANKL+S1Pで刺激し、破骨細胞への分化効率と機能を解析する。(D)S1PによるRAW264.7細胞でのRANK発現と、破骨細胞への分化誘導に及ぼす効果がPTXで抑制可能か否か評価する。(E)RAW264.7細胞にFTY720を添加培養し、(B,C)と同様の検討を行い比較する。 (2)FTY720のcollargen induced-arthritis(CIA)マウスに対する関節炎抑制効果の検討:CIAマウスをFTY720投与群と非投与群に分け関節炎の予防効果と治療効果を検討する。以上の解析により関節リウマチでのS1P/S1P1シグナルの意義を明らかにする
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
破骨細胞の分化誘導と活性化に対するS1P/S1P1シグナルの効果の解析として、RANKL刺激で破骨細胞への分化能を有する細胞株であるRAW264.7を使用したが培養系と破骨細胞機能の評価の確立に時間を要したため、以降の実験計画が遅れているため。 以下の検討に使用する予定である。 (1)破骨細胞の分化誘導と活性化に対するS1P/S1P1シグナルの効果:RANKL刺激で破骨細胞への分化能を有する細胞株であるRAW264.7細胞を用い以下の検討を行う。(A)RAW264.7細胞でのS1P1とRANK 発現を解析する。(B)RAW264.7細胞でのRANK発現に対するS1Pの効果を明らかにする(C)RAW264.7細胞をRANKL単独、S1P単独、もしくはRANKL+S1Pで刺激し、破骨細胞への分化効率と機能を解析する。(D)S1PによるRAW264.7細胞でのRANK発現と、破骨細胞への分化誘導に及ぼす効果がPTXで抑制可能か否か評価する。(E)RAW264.7細胞にFTY720を添加培養し、(B,C)と同様の検討を行い比較する。 (2)FTY720のcollargen induced-arthritis(CIA)マウスに対する関節炎抑制効果の検討:CIAマウスをFTY720投与群と非投与群に分け関節炎の予防効果と治療効果を検討する。
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