2014 Fiscal Year Annual Research Report
室内塵中に最も普遍的に存在する微小昆虫・ヒラタチャタテに対する吸入性アレルギー
Project/Area Number |
24791017
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
福冨 友馬 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診断・治療薬開発研究室, 室長 (30463110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度に報告した関東地方20件の家屋の居間、寝室のハウスダスト調査の結果を詳細に統計解析した。チャタテムシは居間よりも寝室、特に日当たりが悪く、床に畳やカーペットを敷いている部屋、一軒家よりも集合住宅で多く検出された。この解析結果は共同研究者を筆頭著者として原著論文として報告した。 また、相模原病院外来通院の喘息患者約200名における屋内環境に関する質問票調査により、寝室が畳もしくはカーペット敷きの場合は、チャタテムシに対してIgE抗体を保有する確率が顕著に上昇する(オッズ比 5.9倍)ことも確認された。他の昆虫やダニへのIgE抗体保有に関してはこのような関係は全く認められておらず、寝室の床素材の重要性はチャタテムシアレルギーに特異的な現象である可能性がある。 これらの結果から、アレルギー疾患患者において、寝室での畳、カーペット使用はチャタテムシへのアレルギー発症の重要な危険因子である可能性が示された。チャタテムシアレルギー発症予防のために、アレルギー患者は特に寝室でのカーペット・畳を可能な限り使用しないように指導することの重要性が示唆された。一般に、喘息鼻炎患者に対する環境対策としては、主に布団のダニアレルゲン制御を対象として、頻繁に布団の掃除機がけ、シーツの洗濯、防ダニ布団カバーの使用などの重要性が強調されてきた。しかし、チャタテムシアレルギーの場合は、寝室床素材への対策、頻繁な掃除機がけのほうが重要であると考えられた。
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[Journal Article] IgE Abs to Der p 1 and Der p 2 as diagnostic markers of house dust mite allergy as defined by a bronchoprovocation test.2015
Author(s)
Minami T, Fukutomi Y, Lidholm J, Yasueda H, Saito A, Sekiya K, Tsuburai T, Maeda Y, Mori A, Taniguchi M, Hasegawa M, Akiyama K
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Journal Title
Allergol Int
Volume: 64 (1)
Pages: 90-95
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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