2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規T細胞受容体単離システムを応用した慢性肝炎治療用ペプチドワクチンの開発
Project/Area Number |
24791019
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小林 栄治 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (70459733)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / ペプチドワクチン |
Research Abstract |
本研究では我々が独自に開発したT細胞受容体(TCR)遺伝子クローニングシステムを用い、C型肝炎ウイルス(HCV)特異的TCR遺伝子の網羅的なクローニングを行い、エピトープに対するそれぞれのTCRの親和性を解析する。この解析により、HCVに高親和性のTCRをもつ細胞傷害性T細胞を誘導できるエピトープペプチドを同定することが目的である。具体的な方法として、HCVの候補エピトープのペプチド多数種のカクテルで同時に刺激を行い、活性化するT細胞すべてのTCR遺伝子をクローニングした後、TCRを再構築してエピトープの解析およびTCRの親和性の解析を行う。これにより従来の予測されるエピトープごとにTCRのクローニングを行う方法では不可能だった広範囲のペプチドワクチン候補に対して効率的な解析が可能になる。 HCVの構成タンパク質(Core, E1, E2, P7, NS2, NS3, NS4, NS5A, NS5B)について各10個、計90個の候補ペプチドをBIMAS予測により予測した。慢性肝炎患者13人のPBLの解析を行ったところ、10人がHLA-A24陽性だった。HLA-A24陽性患者10人のPBLを上記ペプチドカクテルで刺激し、IFN-γを産生するCD8+T細胞を検出した。その結果、4人の患者からペプチドカクテル刺激により活性化したCD8+T細胞が検出された。これら活性化した細胞は患者毎に反応するペプチドカクテルが異なっていた。この結果より、HCV感染による慢性肝炎患者では患者毎にペプチドワクチンの候補エピトープが異なる可能性が示唆された。今後はこれら活性化したCD8+T細胞からTCRのクローニングおよび再構成を行い、ペプチドカクテルから真に反応するペプチドを決定し、クローニングしたTCRの親和性比較を行う。
|