2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベータラクタマーゼ阻害薬耐性グラム陰性桿菌の耐性機構の解明と分子疫学解析
Project/Area Number |
24791020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 幸司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50425675)
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Keywords | Klebsiella oxytoca / 等電点電気泳動法 / MLST |
Research Abstract |
アウトブレークTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaの解析 一医療施設でアウトブレークしたTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaについて、以下の実験を行った。 1、等電点電気泳動:近年、一つの菌株が複数のベータラクタマーゼの産生することが多く報告されている。今回、アウトブレークTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaについて、等電点電気泳動を行い、多くのベータラクタマーゼの基質である発色物質ニトロセフィンを用いて、ベータラクタマーゼを可視化した。今回、解析したアウトブレークTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaでは、一本のバンドのみ認め、しかもベータラクタマーゼRbiAと考えて矛盾しない等電点であった。このことから、今回、解析したアウトブレークTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaは、ベータラクタマーゼRbiA単独産生株であると考えられた。 2、Multi-locus sequence typing (MLST)解析:アウトブレークを起こしたTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaは、Klebsiella oxytocaの中でも特定の菌株の可能性があり、世界中の他施設と比較できるようにすることは、有益な情報となる。近年までKlebsiella oxytocaのMLST解析法は開発されておらず、近縁種であるKlebsiella pneumoniaeのMLST法でMLST解析を行った。その結果、7つのハウスキーピング遺伝子のうち、いくつかはPCR法で増幅できなかったが、増幅できたものに関しては、今回、解析したアウトブレークTAZ/PIPC耐性Klebsiella oxytocaのすべての株で配列が一致した。
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