2013 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルス感染後の肺粘膜面自然免疫恒常性維持におけるNKT細胞の意義
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24791030
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
石川 裕樹 東京医科大学, 医学部, 助教 (60433918)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 細菌二次感染 / 好中球 |
Research Abstract |
インフルエンザウイルス感染後の細菌二次感染は宿主の病態重症化因子として重要である。また同時にインフルエンザウイルス感染に伴う宿主の細菌二次感染に対する抵抗力低下のメカニズム解明は細菌二次感染予防に繋がると考えている。そこで本研究ではインフルエンザウイルス感染に伴う細菌二次感染に対する宿主抵抗力の低下を自然免疫系に注目し免疫学に解析を行った。 昨年度までの報告において、インフルエンザウイルス感染マウスでは、ウイルス感染後肺に二次感染させた緑膿菌の排除能が、ウイルス非感染マウスと比較し減弱し、またパラレルに炎症性サイトカインが増加していることを報告した。 そこで本年度はウイルス感染、非感染マウスにおける肺中における細菌排除能、すなわち細菌排除に重要である自然免疫系の好中球に注目し解析を行った。その結果、ウイルス感染マウス、非感染マウスでの緑膿菌感染後において、両群での肺(Bronchoalveolar Lavage Fluid:BALF)への好中球遊走細胞数に差はなかった。しかしながらウイルス感染群では非感染群マウスと比較し、BALFより回収された細胞において好中球の活性化の指標であるMyeloperoxidase(MPO)活性が有意に低下していた。さらにPKH26で蛍光標識した緑膿菌をウイルス感染マウスおよび非感染マウスに二次感染させ、BALFを回収後、好中球をFITC-Ly6G抗体で染色し蛍光顕微鏡およびフローサイトメーターで解析を行った。その結果、ウイルス感染マウスでは非感染マウスと比較し、PHK26陽性FITC-Ly6G陽性細胞数が有意に高かった。これらの結果よりウイルス感染マウスの好中球では緑膿菌の捕捉または貪食がおこるが、消化殺菌能が不十分であることが示唆された。現在、ウイルス感染マウスにおける好中球機能低下について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、インフルエンザウイルス感染に伴う細菌二次感染への抵抗性の低下について肺中で恒常的に産生されており、またオプソニン効果を有するサーファクタント(SP-D)に注目し検討を行ってきた。それまでのウェスタンブロット解析では、インフルエンザウイルス感染によってサーファクタント産生量が一時的に減少し、そのため細菌二次感染を容易にしていると考えていた。しかしながら昨年度、ウェスタンブロットより信用性の高く、また新しく発売されたELISAキット(ヤマサ)で定量的に測定したところ、再現性をもって有意な差が出なかった。しかしながら、ウイルス感染後の肺での二次感染緑膿菌の排除能の低下は再現性が得られている。今年度は好中球の機能に注目し研究を進行し順調に結果を蓄積しているが、当初の研究計画よりやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
インフルエンザウイルス感染後、細菌二次感染への抵抗性低下について計画当初は肺中恒常的に産生されているサーファクタントに注目し解析を行ってきたが否定的な結果が出たため、今年度は貪食による細菌排除に重要である好中球に注目し、その機能解析に変更した。その結果、ウイルス感染マウスでは非感染マウスと比較し、好中球の遊走能ではなく貪食または消化殺菌機能が低下することが示された。今後の予定であるが、好中球の機能に作用する肺中でのサイトカイン産生量の網羅的解析を行い、原因サイトカインの特定を行う。また、原因サイトカインの受動的投与は好中球の機能を回復し、細菌二次感染に対し予防的に機能するか検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が約1万円生じたが、研究の進行状況と合わせ計画通りに使用している 翌年度の助成金と合わせ試薬や消耗品を購入する予定である
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Research Products
(6 results)