2012 Fiscal Year Research-status Report
Kenny-Caffey症侯群2型の原因遺伝子の同定
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24791042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯島 豪 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00568230)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 先天性奇形症候群 / 遺伝子 / ゲノムワイド解析 |
Research Abstract |
Kenny-Caffey症候群(KCS)は、著明な低身長、副甲状腺機能低下症、長管骨の骨膜肥厚と髄質の狭小化、大泉門の開大と閉鎖遅延、目の異常を伴う症候群である。新生児期から低カルシウム血症によりけいれんを起こし、成長障害を伴うため著明な低身長を呈する。KCSには、1型と2型が存在する。KCS1型は、2002年にTBCE(tubulin chaperone E)遺伝子が原因であることが明らかにされた。KCS2型は、現在のところ、原因遺伝子は同定されていない。日本では、これまで4例の散発例しか報告されておらず、de novoの変異による単一遺伝子異常が原因として想定されている。日本で報告のあったKCS2型の全4例の主治医と連絡をとり、本研究への協力を依頼して、患者および健常家族(両親および同胞)から、同意を取得して、貴重な末梢血検体を収集した。その結果、KCS2型罹患している全4例とその健常家族(両親および同胞)9例の合わせて13検体を取得した。最初に、症例4例についてKCS1型の原因遺伝子であるTBCE遺伝子について直接シークエンス法を行い、変異のないことを確認した。次に、今回収集した13検体のコピー数多型解析およびエクソームシークエンス解析を施行した。今回のエクソームシークエンスでは、coverageが6割弱であった。全員が同じ単一遺伝子異常と考えると、原因遺伝子の候補が絞り込めなかった。そこで、KCS1型の原因遺伝子であるTBCE遺伝子のネットワーク内(DIF, FASLG, Clorf31, CPN1など)に原因があると考え、4例にあてはまる遺伝子を探索したが、有望な遺伝子は得られなった。今後は、エクソームシークエンスで読めていない場所に原因がある可能性も考え、一部の症例だけでも全ゲノム解析を考慮している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全エクソン解析から症例に含まれ、健常家族に含まれなかった遺伝子に共通するものが存在しなかったため、関連ある遺伝子を検索している。今回の全エクソン解析ではcoverageが60%弱であり、原因遺伝子が解読出来なかった部分に存在する可能性がある。 関連遺伝子検索でも、症例全部にあてはまるネットワークが容易に見つからないため、原因遺伝子探索の絞り込みが中座している。
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Strategy for Future Research Activity |
全エクソン解析で解読できなかった部分に原因遺伝子が存在する可能性があるため、全ゲノム解析を考慮している。また、今回解読出来た部分に同じ遺伝子でなくとも関連ある遺伝子群としての原因が存在する可能性があるので、解析を続行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費で可能な限りの全ゲノム解析の実施を行いたい。またすでにあるデータについて改めて解析をしなおして、候補遺伝子を列挙して、遺伝子解析を実施する
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