2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坂口 公祥 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00402280)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 発現制御 |
Research Abstract |
平成24年度には白血病細胞株における薬剤感受性の評価をMTT法にて行った。また、一般的な抗がん薬と脱メチル化薬であるデシタビンの併用時の薬剤感受性も評価した。併用効果の解析にはCalcSynソフトウェアを用った。これによりデシタビンとクロファラビン、エトポシドの間に併用効果があることを確認した。 デシタビンで前処理後をした白血病細胞株と前処理をしていない白血病細胞株にクロファラビン、エトポシドを添加して培養後に、Annexin VとPIを添加して、フローサイトメトリーを行った。デシタビンで前処理をした場合にアポトーシスに陥っている細胞が増加したことを確認した。さらにこのときのcaspase-3/7活性を確認し、caspase-3/7を介したアポトーシスであると確認した。 デシタビン添加後の白血病細胞株とデシタビン非添加の白血病細胞株におけるアポトーシス関連遺伝子の発現量をRQ-PCR法にて比較した。デシタビン添加によってアポトーシス促進遺伝子であるBAXやNOXAの発現が増加し、アポトーシス抑制遺伝子であるBCL2L1とXIAPの発現量は減少した。これらは、仮説に沿うものであった。ただし、アポトーシス促進遺伝子であるBAK, BID, PUMA, ATM, TP53では発現量が減少しており、仮説に沿わない結果となった。 これらの研究成果は第54回日本小児血液・がん学会学術集会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画において、平成24年度には白血病細胞株において脱メチル化薬と通常の抗悪性腫瘍薬を併用した場合の併用効果の評価とアポトーシス関連遺伝子の発現量の評価を解析した。これらは当初の計画の通りであった。 アポトーシスがcaspase-3/7を介して発生していることは当初の計画に追加して評価することができた。 ただし、ヒストン脱アセチル化阻害剤に関する評価はできず、これは当初の計画通りに遂行することはできなかった。 また、結果としてもほぼ仮説に沿うものが多く、以上を総合するとおおむね順調に遂行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、脱メチル化薬で処理した後でのメチル化の状態の評価を行うことを最初に進めていきたい。また、脱メチル化薬で処理後のアポトーシス関連遺伝子のDNA発現量の変化も再評価し、仮説に合う結果であるかを検証したい。メチル化の状態の評価として、すでにバイサルファイト処理まではすんでいるため、バイサルファイトシークエンシングやメチル化特異的PCR法を施行する予定である。 ヒストン脱アセチル化阻害剤併用時の薬剤感受性の評価も追加して実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主にエピジェネティクス解析を進めるため、バイサルファイトシークエンシングやメチル化特異的PCR法に必要な物品を購入するために使用する予定である。また、薬剤感受性やDNA発現量の再評価も予定しているため、これらに必要な物品の購入にも使用する予定である。 予定している研究の遂行によって得られた研究成果は学会や医学雑誌で発表を行う予定であるため、これらに関連する費用にも使用する。
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