2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791052
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坂口 公祥 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00402280)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 癌 / 遺伝子 / 発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度にはこれまでのまとめを行う目的も含め、平成25年度までに脱メチル化薬によってアポトーシス関連遺伝子のメチル化状態や遺伝子発現量がどのように変化したかを再び確認した。 解析したアポトーシス関連遺伝子であるBAK, BID, BAX, BAD, NOXA, CASP3, BCL2L1, ATM, TP53, XIAPのうち、脱メチル化薬添加前に高度にメチル化されていた遺伝子はBAKとXIAPのみであった。ただし、これらの遺伝子は脱メチル化薬によっても有意に脱メチル化されたわけではなかった。脱メチル化薬によって白血病細胞におけるBID, BAX, BAD, PUMA, CASP3, BCL2の発現が増加しており、NOXAとTP53の発現が減少していた。したがって、メチル化状態の変化と遺伝子発現に相関が見られにくい結果となった。 以上より、遺伝子のメチル化状態の解析や遺伝子発現の解析を一つ一つ解析する手法では、どの遺伝子の脱メチル化と発現の増加が白血病細胞において、抗悪性腫瘍薬の薬剤耐性を改善させうるかを解析するのには不十分と考え、網羅的遺伝子発現解析や網羅的メチル化解析の併用が必要と考えた。 網羅的解析によって、脱メチル化薬によりDNAのメチル化状態が有意に解除された遺伝子としてBIDが挙げられた。また、TP53I13やBCL11Bなどこれまで検討していない遺伝子でもメチル化状態の変化が認められた。しかし、遺伝子発現の網羅的解析ではBIDやTP53I13, BCL11Bの発現量は脱メチル化薬の添加前後で変化がなく、再度BIDのメチル化状態を解析したが、やはり変化がなかった。 これらの結果のうち、網羅的解析以外は平成26年10月の国際小児がん学会で報告をした。また、網羅的解析の結果も交えて平成27年度中に国内外で開催される学会での報告や英文誌への投稿を行う。
|